フレンチのシェフ監修「江戸前鮨」の贅沢な中身 珍しい食材も活用、どのようなコースなのか?

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現在東京では、名店で数年握った2番手が独立した鮨店で、コースだけで3万円を越える。追加ネタやお酒などのドリンクを加えると、客単価は4万円くらいにはなるだろう。まだ何の実績もない鮨店であることを鑑みると、非常に高く感じる。それに比べれば、大阪であることを鑑みても、三つ星2軒を有するアレノ氏のニつ星鮨店の支店はリーズナブルである。

モダンフレンチ&江戸前鮨はどこまで広がるか

そんな「鮨 ラビス 大阪 ヤニック・アレノ」は新しいアプローチをしているがゆえに、いくつか注視することがある。

まず、“モダンフレンチ&江戸前鮨”というスタイルが、どのように広く受け入れられるか。次に、食体験として素晴らしいものの、日本で展開するうえで“江戸前鮨”という枠に収まるかという点。さらには、高級鮨店としては広い空間であるために、その広さに見合った高いクオリティを維持できるかどうかだ。

ひとつ目は、フレンチスタイルのつまみから握りへの流れが重要であるため、それを磨き続けることが求められる。ふたつ目は、“クラシックな江戸前鮨”との混同がないように、ゲストに説明を尽くす必要がある。最後は、大箱のラグジュアリーな空間で、いかに料理長の安田イズムをチームに浸透させ、スタッフのサービス力を高められるかが重要だろう。

日本のミシュランガイドでは、これまで三つ星を獲得した東京のホテルレストランは存在していなかった。しかし、昨年発表された「ミシュランガイド東京2025」で、「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」の「SÉZANNE(セザン)」が初めての三つ星となった。

食の評価が高いフォーシーズンズホテル。2025年3月27日には「ミシュランガイド京都・大阪2025」が公開される予定だが、フォーシーズンズホテル大阪の「鮨 ラビス 大阪 ヤニック・アレノ」がどのような評価を得るのか、期待したい。

東龍 グルメジャーナリスト

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とうりゅう / Toryu

1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口で分かりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。

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