60代の「自分の資産額への満足度」が低い根本原因 「資産への満足度は保有資産額で決まる」は早計

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調査結果によれば、今の60代は平均すると「資産水準には満足できないけれども、健康状態、仕事・やりがい、人間関係では概ね満足している。総合的に見れば、生活全般にはまずまず満足できている」ということのようです。

資産水準の満足度の影響力は大きい

さて、このデータをもとに、「健康状態」「仕事・やりがい」「人間関係」「資産水準」の満足度が、生活全般の満足度に対して、どれくらい強い影響度を持っているのかを統計的に分析してみました。結果は、図表3の通りです。

図表3
(画像:『100歳まで生きても資産を枯渇させない方法』より引用)

この係数は生活全般の満足度に対するそれぞれの満足度の影響度を表しています。資産水準の満足度の影響力が、他と比べて特に大きいことがわかります。「資産が減ると生活全般の満足度が下がる」というのは、「まぁそうだろう」と理解しやすい話ではないかと思います。

「退職後の生活のために作り上げてきた資産なのだから、使って減るのは当然だ」とわかっていても、そして資産を使うことで豊かな生活を送れるのだとわかっていても、「資産が減ること」による心配を消すのは難しいものでしょう。

しかし、感情に振り回されて合理的な判断ができなくなるのは避けたいものです。そこで、少し事実を整理してみたいと思います。

下の図表4は、資産水準の満足度と保有資産額の関係を示したものです。確かに、保有資産額が少ないほど資産水準の満足度が低いことがわかります。「当たり前だろう」と思われるかもしれませんが、このデータから「資産水準の満足度は保有資産額によって決まる」と考えるのは早計です。

図表4
(画像:『100歳まで生きても資産を枯渇させない方法』より引用)

下の図表5は、「60―62歳」と「67―69歳」を抽出し、同様に保有資産額に対する満足度をグラフ化したものです。

図表5
(画像:『100歳まで生きても資産を枯渇させない方法』より引用)
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