60代の「自分の資産額への満足度」が低い根本原因 「資産への満足度は保有資産額で決まる」は早計
データからわかるのは、資産が2000万円よりも高い層では、同じ資産額でも67―69歳のほうが60―62歳より満足度が高いということです。
わかりやすくいえば、「60 歳で3000万円持っている人と、69歳で3000万円持っている人では、69歳の人のほうが満足度が高い」ということになります。
おそらくこの傾向は、年齢差が大きくなるほど顕著になることでしょう。つまり、65歳時点で3000万円持っている人と、80歳時点で3000万円持っている人、90歳時点で3000万円持っている人では満足度に大きな差があり、90歳の人のほうが満足度が高いということです。
これも考えてみれば当然のことで、資産額に対する満足度は、「その資産額で残りの寿命をカバーできそうかどうか」が大きな影響を与えるはずだからです。
つまり、資産残高が減っていっても、その間に年齢が上がって余命が短くなっていけば、満足度はそれほど低下しないのです。
「満足感」を得るためには
私たちは「資産額が小さくなれば、満足度は当然に低下する」と考えがちで、資産を使うことに過度に悲観的になりやすいのではないかと思います。
しかし実際には、歳を重ねれば重ねるほど、「残りの人生で必要な資産」は少なくて済むのですから、資産額だけで満足度が決まるわけではありません。
少なくとも本書が目指す「100歳まで資産が枯渇しない」というラインが守れれば、満足感は得られるのではないでしょうか。
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