新国立競技場、「出直し計画」にも異論が噴出 コンペは締め切られたが、なおも課題は山積

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神宮外苑一帯には、新国立競技場の建設予定地(中央の茶色の更地)を含め、複数のスポーツ施設が集積している(写真:共同通信)

安倍晋三首相の“鶴の一声”で白紙撤回された「新国立競技場」の建設計画。それから約2カ月。出直しコンペの公募が9月18日に締め切られた。今後は、11月中旬ごろまでデザインや工事全般の提案を受け付け、今年末までに事業者を選定する予定だ。

だが、8月28日の関係閣僚会議で新たに取りまとめられた「新国立競技場の整備計画」に対しても、さっそく異論が噴出している。

応募者が限定されてしまうコンペ条件

出直しコンペでは、デザイン、設計、施工が一体となった、グループでの応募(プロポーザル方式)のみが対象となっていた。大成建設は建築家の隈研吾氏、梓設計とチームを結成したほか、竹中工務店、清水建設、大林組が共同で、建築家の伊東豊雄氏と組んで参加する。

一方、1回目のコンペで最優秀となったザハ・ハディド氏は、日建設計と組んで参加する意思を表明していたものの、施工者のゼネコンが見つからずに、応募を断念することとなった。

この方式では、技術や資材調達の面から、ゼネコン大手5社以外の応募は事実上不可能。2020年3月完成と工期が短いうえ、IOC(国際オリンピック委員会)が完成をさらに同年1月に前倒しするよう要望しているので、プロポーザル方式は仕方ない、との見方がある。

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