有吉の壁「執事コント」であの名作が"再注目"の訳 今も語られる、あの「平成イケメンドラマ」の魅力

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原作のメイは、理人に異性として好意を抱いており、学園に入るときも「理人さんが自分の成長を喜んでくれるなら」という思いが強かった。

かたやドラマ版は、メイから理人への好感度はほぼゼロからのスタートで、どちらかといえば鬱陶しがる空気さえ感じられる。庶民お嬢様の下剋上とそれを支える執事、まるでバディもののようなスパイスを加えたのがドラマ版なのだろう。

そのような変更もあってか、メイの性格もおっとりした天然系女の子(原作)から、しっかり者でツンデレ系(ドラマ版)へと変化している。

2000年代といえば、多数の男性俳優が登場するイケメンドラマが大ヒットしていた時代。イケメンドラマといえば、ひとりのヒロインに対して複数のイケメンが登場する様式美があった。

本作は水嶋ヒロをはじめ、佐藤健、向井理、鈴木亮平など数多くのイケメンが登場するが、俳優たちはつねにお嬢様と1対1。一心同体なのである。

ほのかな恋愛描写はありつつ、リスペクトのうえで成り立つ信頼関係を強く描く。その構成は、当時の若い女性向けのエンタメとしては稀有だったのではないか。

お嬢様との信頼関係があってこそ。心の絆を描く

お嬢様との心の絆を象徴するような場面がある。執事同士の「決闘(デュエロ)」だ。学園には、揉め事を執事同士の戦いで決着をつけるという習わしがある。クラスメイトのリカ(大政絢)に因縁をつけられたメイは、お互いの執事を懸けた「決闘」を申し込まれる。

メイは理人とうまく接することができず、ぎくしゃくするばかり。そのせいか「ヤバイと思ったら負けてもいい」と弱気な言葉をかけてしまう。

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