「認知症の姑」に借金判明、親族はどうすべき 本人に返済可能な資産・収入がない場合は…
「認知症の姑に借金が判明しました」。こんな相談が、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに寄せられた。姑が施設に入所する前に、銀行のカードローンで借りたもので、銀行の代理人弁護士から連絡があったそうだ。
73歳の姑は、要介護度3の認知症で、おカネを借りたことを覚えていない。定期的な収入は2カ月で3万円弱の年金しかなく、返済能力がまったくないという。相談者は「子どもが親の借金を返済する必要はないと思いますが、このまま放置しておくのはまずいと思う」と、今後について悩んでいる。
認知症の状態で話しをするべきではない
認知症の家族を持つ人にとっては切実な問題だが、どのような対応をすればよいだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。
「姑さんは認知症ですので、姑さん自身が銀行と話をつけることも、破産申し立てを弁護士に依頼することもできません。また、認知症の状態で話をするべきではありません。
そうかといって、親族が銀行と話をつけようと思っても、銀行から『姑さん本人とでなければ話をしない』と言われてしまえば、それまでです。仮に親族が銀行と話をつけたとしても、後日その合意の有効性が問題となってしまう可能性があります」