なぜ今?「フジにCM出す企業」が見込む"勝算" キンライサーや夢グループが出稿する本当の狙い
そしてほとんど語られていないが、意外に重要なのが4つ目の「副次的な効果」だ。
「相手が困っているときに手を差し伸べる」という行為は、善意云々(うんぬん)の話にとどまらず、損得勘定の話でもある。
成長して株式上場を果たした後でも、創業時の資金不足や、業績悪化で運転資金が足りなくなったときに貸し付けを行ってくれた銀行に対して、メインバンクとして取引を続けている企業も少なくはない。
具体的な見返りを期待しているかはさておき、CMを続けている企業は、「いまのうちにフジテレビに恩を売っておこう」という意図は少なからずあるのではないかと思う。
他にも、テレビCMの放映には、取引の促進、従業員の士気向上、人材採用効果――といったさまざまな効果がある。最近、BtoB企業がテレビCMを放映している事例が目立つが、彼らは短期的な売り上げ向上のためではなく、さまざまな副次効果も考えたうえで広告展開を行っている。
CMの費用対効果はむしろ上がっている
テレビCMの運用支援サービスを行っているノバセルによると、1月中旬から同月末にかけて、AC差し替えを行わず、フジテレビでCMを出稿し続けている企業の指名検索(製品やサービスや企業名での検索)効率は、他局よりも高いという結果が出ている。
現在は、放映CM数も減っており、ACジャパンのCMやフジテレビの番組宣伝のシェアが高まっている中で、企業のCMは相対的に目立つ存在となっている。その点においては、CMの費用対効果はむしろ上がっているといえるかもしれない。
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