節税がテーマの第2話には、投資の基礎知識が散りばめられている。天宮寺家の長男が階段から何者かに突き落とされ、庵野はその捜査に協力。長男には6人の愛人がおり、彼女らをペーパーカンパニーで雇用することで、食事や旅行などの出費を経費として落としていたことが判明する。
庵野はそのうちの1人に、天宮寺家の長男が「愛情の分散投資」をしているのに、あなたは彼との関係一本に絞る方が効率的だと思ったのだろうと言い放ち、「卵は1つのカゴに盛るな」と諭す。リスク分散を促す相場格言の一つだ。
東海大学文化社会学部広報メディア学科の岡田章子准教授は、欧米などに比べ「富豪もの」ドラマが少ないのは、日本人が「1億総中流という幻想」を持ち、劇中のファッションやインテリアより、ストーリー性を重視する傾向にあるからではないかと分析する。
これまでの経済ドラマも踏襲
その上で今回のドラマでも、庵野は必ずしも実権を握る富裕層の完全な味方になっている訳ではなく、「弱者にも知恵を授ける」ストーリー展開になっている点に注目。これまでの経済ドラマも踏襲した「勧善懲悪的な痛快さ」が盛り込まれていると述べた。
富裕層向けプライベートバンキングチームの構築に取り組むJトラストグローバル証の松木氏は、現実はドラマの一部ほど劇的ではなく「家族間の争いを解決することはほとんどないし、加害者探しを手伝うこともない」と言う。それでも「私たちの職業が広く知られるようになってきていることがうれしい」と語った。
--取材協力:浦中大我
著者:中道敬
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