過熱する「フジのアナ報道」鵜呑みにする"危うさ" 世間のイメージとのギャップに局アナたちも苦悩

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その後、「花の三人娘」と呼ばれた有賀さつきさん、河野景子さん、八木亜希子さんがアイドル顔負けの大活躍。他局の女性アナウンサーにもタレント化の流れを生むほどの人気と影響力がありました。

2000年代に入って以降は芸能活動経験者のアナウンサー志望者が増え、さらなるタレント化を促進。さらに近年では原田葵アナのようなアイドルからの転身組も珍しくなくなりました。さらに他局ではアナウンサーが20代のうちに退職して、芸能人や女優に転身する人が次々に誕生しています。

近年の流れから読み取れるのは、芸能人とアナウンサーの境界線があいまいになりつつあること。メディアはアナウンサーを芸能人のように報じていますが、私たちはどのような目で見ていけばいいのか。

転職や転身が当たり前となり、価値観も多様化した今、個人の長いキャリアを考えたとき、会社員か芸能人かの違いは大したことはなくなっているのかもしれません。事実、20代のアナウンサーと話していると、「アナウンサーと芸能人という境界線も、会社員と芸能人という境界線も、あまり意識していないのかな」と思わされることがよくあります。

その点を踏まえると、「会社が社員のアナウンサーに接待の場への同席を求めることはいけない」という考え方は必ずしも適切とは言えないでしょう。自分のキャリアを考えて「行きたい」という人もいれば、単に「行きたくない」という人もいる。外部の人間が当事者の選択や自由を奪うのではなく、「個人の意思による」という当たり前の形に落ち着かせればいいだけではないでしょうか。

本人を苦しめる「過重労働」の声

ちなみに筆者は、何度か食事会の場で女性アナウンサーと同席したことがあり、隣に「美人アナウンサー」と言われる人が座ったこともありました。しかし、筆者がとりたてて力を持っていない人間である以上、彼女は誰かに言われて座ったのではなく、「そこが空いていたから座った」にすぎないのでしょう。

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