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過熱する「フジのアナ報道」鵜呑みにする"危うさ" 世間のイメージとのギャップに局アナたちも苦悩

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  • 木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者
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参加者の中には人気タレントやプロデューサーなどの影響力を持っている人もいましたが、アナウンサーたちはよい意味でオーダーや料理の取り分けなどもしませんでした。これは男性アナウンサーと同席した際も同様であり、「ほとんどがこのような普通の食事会なのだろう」と思わされます。

第三者委員会の調査結果を待つべきではありますが、個人的な経験とヒアリングした限りでは、「もし接待の強要などがあったとしても、組織的なものではなく個人によるものではないか」というのが正直なところです。

もう1つ、アナウンサーをめぐる世間と実情のズレを感じさせられるのが、「過重労働させられているのではないか」という疑惑。

体調不良で番組を休むと、ネットメディアが一斉にそれを報じ、2・3日続いたり、数カ月の間に2・3人目が出たりすると、「働かせすぎだ」という記事や声があがりますが、本人たちに話を聞く限り、それが「各局のアナウンサーを苦しめている」ところがあるようです。

これだけウイルスの数が多く一般家庭に広がる中、当然ながらアナウンサーだけがそれを避けられるわけではないでしょう。本人たちは声を発する仕事だけに日頃から感染対策を行っていますし、それ以上に「居て当然」とみなされ、「居なければ異常事態」として報じられることにプレッシャーを感じながら日々を過ごしています。

特にコロナ禍以降は、個人と番組の両方がリスクを避けるために勤務形態を変えたことで、「過重労働といわれるような状態はない」と10人を超えるアナウンサーから聞きました。また、体調が少しでも優れなければ「周囲にうつさないために休んだほうがいい」と言われるところがあるほか、番組の休演や長期休暇の取得などもしやすくなったとも聞いています。

「過去のみ」を抽出する危うさ

しかし、報じられるのはアナウンサーたちが「何年も前」「今は違うのに」というエピソードばかり。これはネガティブな記事を書いたほうが数字が獲れるというネットメディアの営業戦略によるものでしょう。「改善された現状をスルーして、叩くために過去を引っ張り出す」という報道姿勢はアンフェアであり、それを見極める私たちの目が問われています。

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【悪いところだけを報じても、過剰な怒りの感情を増やすだけ】

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