細るパナソニック「聖域解体」で狙う最高益の意義 間接部門で早期退職、家電開発は中国へシフト

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
パナソニックにとってテレビ事業は祖業にも等しい重みがある。写真は2007年4月の「ビエラ」製品発表会(撮影:尾形文繁)

「私自身がテレビ事業を実際にやってきたことからすると、センチメンタルな部分はなきにしもあらずだ」

2月4日、急きょ発表されたグループ経営改革説明会に登壇したパナソニック ホールディングスの楠見雄規社長は、テレビ事業を2025年度末までに撤退か事業売却を検討する「課題事業」の1つに指定したことについて問われ、こう答えた。

「聖域」テレビ事業から撤退か

これまで楠見社長は「テレビ事業は白字を目指す」と説明してきた。白字とは、黒字でも赤字でもないという意味。今後、成長する可能性が乏しいにもかかわらず、事業からの撤退や売却を検討してこなかったのは、全国各地に点在するパナソニックの専門店(パナソニックショップ)の存在が大きい。

今年1月にアメリカ・ラスベガスで開催されたテクノロジー見本市「CES」で講演した楠見雄規社長はAIシフトを打ち出した(記者撮影)

家電量販店とは異なり、専門店では一部の例外を除いてパナソニックの製品だけを扱っている。

その中でもテレビは主力の商品で「テレビの買い替えを機に顧客の家に行き、それ以外の家電の買い替えにつながるケースが多い」(関係者)。

専門店にとって「ビエラ」がなくなることの意味は計り知れない。それだけに、テレビ事業はこれまで業績不振に陥るたびに経営改革を行ってきたパナソニックにとっては手が出せない”聖域”だった。

次ページ楠見社長はテレビ畑の出身
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事