ミネベアが日本政策投資銀行と資本・業務提携、その狙いとは?
ミニチュアベアリング最大手、ミネベアは2日、日本政策投資銀行(以下、政投銀)と業務・資本提携契約を締結したと発表した。
まず、ミネベアが総額約77億円の転換社債型新株予約権付社債(転換社債)を発行。第三者割当によって全額を政投銀に割り当てる。償還期限は5年。社債転換にはミネベアが保有する自己株2千万株を充当する。
さらに、M&Aに必要な助言を政投銀から受けたり、政投銀と共同で大型M&Aを実行したりすることを計画している。M&Aの対象を共同で選定するほか、ミネベアと政投銀が共同で出資し、M&Aのための特別目的会社を設立するケースを想定。政投銀のほか、政投銀が招へいした投資家グループが買収に加わる可能性もあるという。特別目的会社に対する出資比率は、買収案件によって、そのつど検討する。
ミネベアは2月3日、東京都内で2011年4~12月期(第3四半期累計)決算・新中期事業計画説明会を開催。この席で貝沼由久社長は政投銀との提携の狙いについて、「(主力事業である)機械加工品の成長戦略の中に、国際M&Aを取り入れるため」と語った。
さらに、政投銀との提携を決めた背景について、「政投銀はエクイティ(株主資本)を持つことを許されている銀行であり、投資と融資を一体にして実行するという目的がある。いっしょにエクイティを保有し、買収対象会社から上がってくるキャッシュフローをもって、会社の価値を上げていくことができる」(貝沼社長)と説明。提携によって、ミネベア単独では実現が難しかった大型M&Aに、柔軟に取り組むことができるようになる、と話した。共同出資の対象となる”大型M&A”の定義については「(買収金額)500億円以上」を目安とした。