栗山英樹氏が円覚寺派管長に語った「運の招き方」 王貞治さんから教わる「ものの見方」や「生き方」

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自分にはないものを持っている人に会うというのは、やっぱり人生の一番の楽しみです(写真:myconcept/PIXTA)
2023年にWBCで優勝を果たした侍ジャパン監督の栗山英樹さんと、鎌倉・臨済宗円覚寺派管長の横田南嶺老師。
野球と禅というあまり接点のない世界で、リーダー的ポジションにいる2人が対談。スポーツと禅というまったく異なる文化を超えて「勝運を引き寄せるもの」や、野球と禅に通底する道などについて語られた対話集『運を味方にする人の生き方』より、一部抜粋・編集してご紹介します。

マイホームよりも「食べ物」

横田:監督はどのような環境で育ったんですか?

栗山:僕の場合は本当に普通の家庭で、都営住宅に住んでいました。一番印象に残っているのが小学生のときに、両親は僕が寝ていると思ってしゃべっていたんでしょうけど、家を買う、買わないって話をしていたんですよね。

家計が苦しくてもマイホームを持ったほうがいいんじゃないかと父親が言ったとき、母親が「いや、子どもたちに一番苦労させたくないのは食べ物だ」と。他のことで苦労しても、子どもたちが食べたい物だけは食べさせてあげたいと話していたんです。

それが僕にとっては、管長のお母さんが管長が出家を決められてから1週間泣かれていた話と一緒で、「俺、本当に頑張らなきゃ」と思ったきっかけでした。たぶん周囲への体裁みたいなものもあったと思いますけれど、両親が自分たちのためにそこまで思って家は買わないと決断した。そういう愛情だけはもらい続けてきましたね。

横田:まさに親の愛は海より深く山より高いと。

横田さん(左)と栗山さん(写真:齊藤文護)
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