どうなる中国の不動産市場 長期下落は必至か

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中国の不動産市場では2011年後半から、厳しい調整局面が続いている。国家統計局によると、11年12月の新築住宅価格(低価格住宅を除く)は、全国70市のうち52市で前月価格を割り込んだ。価格が下落した市は11月より3市増え、全体の74%に上る。

また、民間調査機関・中国指数研究院によると、北京・上海・杭州など主要10市の住宅用地価格(平米当たり)は11年、2924元(約3万8000円)と前年比で約13%下落、急降下している。住宅用地価格は将来の新築住宅価格に反映されるため、12年も引き続き不動産相場の下落傾向が続く公算だ。

統計局の馬建堂局長は不動産価格の下落について、「政府の投資規制が顕著な効果をもたらした」と発言。現状は不動産バブルの崩壊ではなく、政府のコントロールによるソフトランディングであるとの見解を示した。

確かに上海などの住宅価格が標準的な年収の30~50倍にまで達していたことを踏まえると、価格抑制策の導入は不可避だったといえる。だが不動産市場低迷が長引けば、上場企業の業績への影響は必至。

「投資性不動産」(賃貸収入や将来の売却益を狙った不動産)を保有する企業は、巨額の資産評価損の計上や賃貸収入の急減による業績下振れリスクをはらんでいるからだ。

 

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