フジ「番組CMの8割がAC」、会見で疑念払拭なるか 日本生命などスポンサー企業は現状をどう評価?

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フジテレビ
報道では80社近くがフジテレビでのCM放映を差し止めたとされている(写真:Bloomberg)

1月26日放送のフジテレビ「ワイドナショー」。タレントの田村淳氏やフジテレビの報道番組でキャスターを務めていた安藤優子氏などの出演者が、中居正広氏の性加害問題とフジテレビをめぐる問題について20分超の時間を費やして議論した。

番組開始の午前10時から次の番組が始まる午前11時15分までに流れたCMは54本。この日のワイドナショーはベリーベスト法律事務所の1社提供だったが、B型肝炎給付金請求制度を告知する同事務所のCMは1本しかなかった。

代わりに目立ったのはACジャパンの公共広告。その数は42本に上り、番組中に流れたCMの8割に達した。同日18時30分からの「サザエさん」もCMの8割超がACジャパンだった。提供は西松屋1社のみ。30分の番組中17本流れたCMのうち、通常のCMは西松屋と引越し侍の2本だけだった。

「動画拒否」などその閉鎖的な姿勢が酷評された1月17日の会見から1週間を経て、フジテレビは本日27日に記者会見を行う。会見で社会からの信頼を取り戻すためのスタート地点に立つことができるのだろうか。

「CM差し止め企業」も説明しないといけない

1月17日の会見の後、企業による同局番組へのCM差し止めが相次いだことを受けて、東洋経済は会見に対する見解やCM出稿の取り扱いなどを各社に尋ねた。CMスポンサーや広告代理店、フジ・メディア・ホールディングス(HD)の大株主など15社に書面で質問した。

一連のCM差し止めで目立ったのは、トヨタ自動車の迅速な判断だ。17日会見は金曜日の15時からだったが、トヨタは翌18日放映分のCMから差し替えた。

書面質問では、17日会見の説明内容や開催形式についての評価、CM差し止めの判断に至った考えなどを聞いた。それに対しトヨタは、「弊社CMについては、AC広告に差し替えている。それ以上の詳細については差し控える」とのみ回答した。

「ビジネスと人権」に詳しい蔵元左近弁護士は、各社のCM中止について「人権問題としてどう捉え、どのような措置を取ったのかを合理的な範囲で説明することが、スポンサー企業の社会的評価の向上、さらには中長期的な企業価値向上につながる」と強調する。

説明なしにCMを打ち切る対応は、「ビジネスと人権」を推進する企業の姿勢にはそぐわないというわけだ。

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