Kōki,がアイスランド映画の主演を獲得した事情 監督は両親が日本のセレブとは知らなかった?

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日本人からは、本木雅弘、中村雅俊らも出演している。

「ミコの父親である高橋役には、伝統的な日本の父親らしさを打ち出せる俳優を求めていた。本木雅弘にはそれができるし、同時に温かさもある。高橋は、ある意味、若いクリストファーにとってもお父さん的な存在になる。クリストファーの中に、ちょっと自分自身を見るんだよ。久多良木役を演じる中村雅俊も、印象深い演技をしてくれた。ロンドンのシーンに出てくる人たちにも言えることだが、出演時間が短くても、正しいキャストであれば、記憶に強く残るものだ」

TOUCH/タッチ

日本からは本木雅弘、中村雅俊らも出演© 2024 FOCUS FEATURES LLC

日本の観客はどう受け止めるか

一方、歳を取ったクリストファーを演じるエギル・オラフソンは、俳優ではあるものの意外な選択でもあった。彼はアイスランドで昔から有名なシンガーで、映画スター。セックスシンボルとしても知られてきた人で、内向的な一般人であるクリストファーのキャラクターのイメージと、一見、かなり違う。しかも、パーキンソン病と診断されたばかりだったのだ。

「この映画の話を持ちかける少し前、彼は、もう舞台で歌わないと発表した。そんな彼に、私は、この役をやりたいならば、一緒に乗り切ろうと言ったよ。疲れても大丈夫だからと。

彼は日本が舞台となるシーンのほとんどすべてに登場するけれども、1日8時間以上の撮影は無理なので、日本でのロケは1週間延ばさなければならなかった。だが、彼と一緒に仕事ができて、本当に良かったよ。彼自身の葛藤は、映画にさらに深みを与えてくれたと思う。生きることの意味を。このジャーニーは、エギルにとって最後の大きな挑戦だったんだ」

コルマウクルの“直感”によって集まってきたさまざまな役者たちの演技は、日本の観客の心にどう響くだろうか。

猿渡 由紀 L.A.在住映画ジャーナリスト

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さるわたり ゆき / Yuki Saruwatari

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒業。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場リポート記事、ハリウッド事情のコラムを、『シュプール』『ハーパース バザー日本版』『バイラ』『週刊SPA!』『Movie ぴあ』『キネマ旬報』のほか、雑誌や新聞、Yahoo、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。
X:@yukisaruwatari
 

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