消える「伝統的気動車」ハイブリッドに交代の背景 メンテナンス性向上、「税制面の優遇」も利点?
自動車の世界ではエコカーとして定着したハイブリッド車。鉄道でも近年、エンジンによる発電とバッテリーを組み合わせたハイブリッド式気動車(ディーゼルカー)の導入が増えてきている。
すでにJR各社で活躍しているが、新しい動きとしてはJR東日本が2024年11月、高崎・盛岡エリアに新型の「HB-E220系」を計32両投入すると発表。八高線や東北本線、釜石線で2025年度下期から営業運転の予定だ。
環境性能の面で従来型の気動車より優れていることは容易に想像がつくハイブリッド式気動車。だが、それ以外にも従来の気動車にない利点があるようだ。どのような観点で鉄道各社はハイブリッド車を導入しているのだろうか。
じわじわ増加「ハイブリッド式気動車」
初の営業用ハイブリッド式気動車が運行を開始したのは2007年。JR東日本が小海線に投入した「キハE200形」で、これは日本のみならず世界初の営業用ハイブリッド気動車だった。
その後、2010年には観光列車タイプの車両として「HB-E300系」が登場。長野エリアの「リゾートビューふるさと」をはじめ、秋田や青森、新潟地区で活躍している。2015年に運行を開始した、仙台―石巻間を東北本線と仙石線経由で結ぶ「仙石東北ライン」にも、電化方式の違う両線を直通する車両としてハイブリッド車のHB-E210系が投入された。
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