御殿場ICから東名高速を走り、箱根の山道を走ってみて、「フォルクスワーゲンは、こんなに楽しいクルマを作れるのか」と、目からうろこが落ちる気がしたほどだ。
4気筒エンジンの排気量は1497ccしかないし、パワーも目を見張るような数値ではないものの、このクルマには「必要にして十分」だし、回転マナーといいトルクの出方といい、なんというかフィーリングがよい。
悩ましい価格展開とゴルフの存在
今回、乗ったeTSI R-Lineの価格は588万9000円。これに対して「日本で人気が高い」とフォルクスワーゲン グループ ジャパンの広報担当者が言うディーゼルの「TDI 4MOTION R-Line」は653万2000円と、メカニズムに応じて価格差も大きい。
実際、ディーゼルもよく出来ているし、4MOTIONという4WDシステムによる安定感も捨てがたい。でも、価格差を意識するなら、eTSIを選んで後悔はないだろう、と思う。ガソリンエンジンのいいところが、上記のように堪能できるはずだからだ。
では、ゴルフがよくないかというと、そんなことはない。最新の「8.5」世代(現在のゴルフ第8世代に対して「ゴルフ8.5」などと称される)に先だってドイツで乗った印象では、クルマの基本であるエンジン、ハンドリング、ブレーキングがしっかりしたモデルだった。
あいにくというべきか、SUV全盛のいまにおいて、ティグアンのほうに目がいってしまうのは避けられない。むしろ、コンパクトハッチバックという特徴を体現しているのは、ゴルフよりひとまわり小さな「ポロ」なのかもしれない。
もっとも、正当な評価は、2025年に発売されたゴルフ8.5にきちんと試乗してからするべきなのだが。
ティグアンの魅力は、もうひとつある。機能性だ。
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