「御上先生」が問う"高学歴勝ち取った"後の人生 合格したものの、その後の人生に悩む東大生も
東大が発表しているデータを見ると、休学者数は2024年5月時点で415人で、この10年間で約1.6倍まで増加しています。この全員が人生に悩んでいるというわけではないでしょう。それでも、将来を決めかねて休学する人の割合は多いのではないかと推察されます。
休学して自分の人生を見つめ直すこと自体は、まったく悪いことではありません。しかし思い悩み過ぎた結果、うつ病になってしまう人もいます。実際に僕の周りの東大生の中にも、うつ病になってしまった人が多くいます。
僕の友達の一例を紹介しましょう。彼女は名門校である桜蔭中学・高等学校でトップクラスの成績を取り、東大文1に現役合格。そこから法学部に進学したものの、うつ病になってしまいました。東大を卒業してから、早稲田のロースクールに通うも、中退して、麻雀プロになりました。
今は彼女のうつ病も回復し、自分が本当にやりたかったことを見つけて、人生を見つめ直すことができています。
一方で回復することができずに、苦しんでいる東大生もいます。
東大卒業=人生バラ色ではない
「東大に合格できて人生バラ色」というイメージがある人も多いかもしれませんが、実はそんなことはないのです。
こうした現状を考えると、御上先生の「過酷すぎる競争に勝ち抜いてようやくつかみ取った人生が、『上級国民』でほんとにいいの?」という問いは、まさに競争に勝ち抜いた東大生たちが、現在直面している悩みであるとも言えます。
ちなみに、インドのトップ大学であるインド工科大学の卒業生たちは、グーグルやマイクロソフト、アマゾンなどの世界の名だたる大企業からオファーをもらい、桁違いの報酬や条件を提示されるそうです。中には新卒で年収8000万円を超える人もいるとのこと。
東大卒業生も、もちろん名だたる大企業に就職できる人が多いですが、ここまでの好条件のオファーが来ることはまれです。競争に勝ち抜いても、待っているものはバラ色の道ではない、ということですね。
一見するとそんな「夢も希望もない」状況の中でも、自分の今の仕事にやりがいを感じ、満足しながら働いている東大卒業生もいます。
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