茶系飲料「ルイボスティー」人気に火がついた裏側 南アフリカ原産の不思議な風味が日本人に浸透

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一方、伊藤忠食糧はまた違った見立てだ。

「RTD(Ready to Drink=開けてそのまま飲める飲料)人気のトレンドは、①無糖、②単品(の味)、③冷水となっています。ルイボスはその特徴を備えていますし、若い世代は総じて苦いお茶を好まないので将来的にも有望だと思います。

また、ノンカフェイン市場も好調で、さまざまなノンカフェイン飲料がありますが、麦茶に次ぐノンカフェイン飲料として、ルイボスは一定の地位を確立しました」(太田氏)

今後の課題は「飲用経験を高める」こと

ここ数年で急拡大したルイボスだが、残された課題は何か。

「まだ知名度が低いことです。『やさしいルイボス』で行った調査では商品の認知度が約40%、飲用度が約20%でした。

それまでルイボスティーという名前は知られていましたが、多くの方のイメージではハーブティーの一種としての美容系飲料。実際に飲む前に、何となくクセが強くて飲みにくそうと思う方もおられました。それが最近、ようやく自分事としての飲料になってきたと感じています」(井島氏)

「最近は、ルイボスティー&ノンカフェイン専門店を展開される企業もあります。また伊藤忠グループではグループ会社のファミリーマートを中心に川上から川下まで展開していきます」(太田氏)

伊藤忠食糧では安定供給のためにメーカーと一体となって品質面にも注意を払う。日本では飲料が中心だが、海外ではヨーグルトのフレーバーやスキンケア化粧品に応用する例もあるという。

「紅茶と烏龍茶の中間のような風味」ともいわれる味についてはどうか。筆者が各方面に聞き取り調査した限りでは総じて好評で、苦手な味という声はあまりなかった。

その不思議な魅力で2025年以降も人気が拡大するか、引き続き注視したい。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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