茶系飲料「ルイボスティー」人気に火がついた裏側 南アフリカ原産の不思議な風味が日本人に浸透
「新商品は2年目以降が本当の勝負」と言われるが、「やさしいルイボス」は2年目のジンクスもなく、2024年1~12月の売り上げは前年比約1.8倍超と好調なようだ。
人気ラーメンチェーン「一風堂」では、ルイボスを水代わりに提供している。こってり系の料理との相性もいいようだが、購入時間帯にも特徴があるという。
「商品を買ってすぐ飲むことが多い自販機チャネルで見ると、13~15時の購入が多いのです。その理由は、①カフェインコントロール、②午後のもうひと踏ん張り、③無糖で赤い色も気分を上げてくれる――だと考えています」(井島氏)
以前、「茶系飲料市場は大きく分けて“緑色”(主に緑茶)と“茶色”(紅茶、麦茶、烏龍茶、ブレンド茶)が拮抗する」と聞いたことがある。その中でもルイボスは異質の色だ。
「茶系飲料でここまで赤いのはあまりなく、少しミステリアスな存在です。南アフリカ原産なのを知らなくても、気分転換にはいい“異国感”を感じることができます」(同)
冬の季節には、温めても飲みやすい。秋冬も一定の売り上げが維持できるのは、夏の定番イメージがないのが幸いだったかもしれない。
「飲料で健康になりたい」は昔からあったが…
ルイボス人気を調べてみると、ノンカフェイン以外にも、産婦人科での推奨(※)やSNSでの口コミにより、ルイボス=健康によいという認識が広まったこともあるようだ。
(※)妊活効果への期待もあるが、ポリフェノールが含まれるため、妊娠期の摂取には注意したい。
ところで、茶系飲料を飲むことで「健康を維持したい」「美容効果を高めたい」という思いは、これまで何度もあった。一時的に話題を呼んでもやがて失速した例も多い。ルイボスはその轍を踏まないのだろうか。
「まず、『GREEN DA・KA・RA やさしいルイボス』はトクホ飲料のような健康茶になるつもりはありません。あくまでも日常の喫食シーンに登場する飲料でいたいと思います。
当社のノンカフェイン飲料である水や麦茶(サントリー天然水やGREEN DA・KA・RA やさしい麦茶)を愛飲される方も、気分転換をしたい時には少しエッジのきいたルイボスを選んでいただいています。 “嗜好性を求めた浮気”で選ばれるのが理想です」(井島氏)
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