「異例のペースで売れている」――。
サントリービバレッジ&フード社(以下、サントリー)がそう説明するのは、3月24日に発売した14年ぶりの大型新ブランド、炭酸飲料「NOPE(ノープ)」についてだ。
発売1週間で出荷本数が2000万本(24本換算で約83万ケース)を超えた同商品。黒いラベルに、マゼンタの文字と舌を出した表情のアイコンが大きくあしらわれたパッケージが店頭の飲料コーナーの中でひときわ目を引き、発売直後からSNSで話題となり注目を集めた。
健康志向の「逆張り」で勝負
一風変わったデザインだが、特徴的なのは見た目だけではない。「ギルティ炭酸」と銘打たれた同商品は「健康志向と対極にある潮流をど真ん中にとらえた」(発売当時のブランドマーケティング本部長の佐藤晃世氏)ことが、大々的に打ち出されている。
富士経済の調査によると、健康嗜好食品市場は1兆8390億円(前年比1.4%増)と、右肩上がりだ。飲料や食品各社は、機能性を訴求したり、無糖やカロリーオフなど、健康志向を前面に押し出した商品を次々に展開している。
一方、サントリーによれば、ハンバーガーやポテトチップス、デザートなどといった健康志向とは真逆にある、口にするのに罪悪感を抱くような「ギルティフード」市場も24年までの5年で24%増えているという。
「健康志向の一方で、若者が日頃のストレスを“溶解”しようとギルティフードを口にする傾向がある」として、この分野に着目。まさに今回投入したノープは「背徳感」や「罪悪感」といったテーマを前面に押し出した商品だ。
味わいも「ご褒美感」を出すために甘濃さにこだわった。1本飲むだけでスイーツを楽しんだような満足感のある味わいは、糖度の指標(Brix値)が13.3と、同社の「ペプシコーラ」と同程度となっている。
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【異端ブランドを投入した真意】
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