鳥羽シェフが才能よりも信じる「圧倒的努力」 ビジネスで大事なのは、信頼よりも、まず信用

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また、僕は相手に対し、無理をすることも大事だと思います。

メールやLINEはできる限り早く返信するようにしています。そのスピードに誠意が表れると思うからです。

僕はよくうちのスタッフに言うのですが、LINEで既読になった瞬間、相手に見たことが伝わっているわけですから、「すぐ確認いたします」と返信します。すぐ確認できない場合は、「〜までに必ずお返事します」と返信すること。これを自分にもまわりにも義務付けています。

信用を積み重ねた先に信頼がある

ビジネスで大事なのは、信頼よりも、まず信用です。信用を一つひとつ積み重ねて、初めて信頼が生まれます。そういう積み重ねができない人は、何をやってもダメだと思います。信用できない相手と、誰も仕事をしたいとは思わないからです。

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そういう誠意は、現場ではやはり、緊張感として表れるのではないでしょうか。少し前に見た映画『ザ・メニュー』は、この緊張感がとてもよく描かれた作品でした。

孤島にある高級レストランを舞台にしたサスペンス映画なのですが、とにかく緊張感が素晴らしく、一度見始めたらもうやめられない。命がけで料理を作るとは、どういうことか。命がけのソムリエとは。命がけのサービスマンとは。一方、料理を食べる客とは——。そうした問いかけを含んだ場面が次々と繰り出されていきます。

料理は、作る人だけでなく、食べる人がいて、初めて成り立つものです。味を知っているとかグルメだとかいうことではなく、食べる側の意識のレベルと作る側の意識のレベルが拮抗した時、本当に最高のエンターテインメントになるのだと思います。僕は見城さんにお店に来ていただけるようになってからの5年間で、見城さんといつも命を削るような真剣勝負をしながらそのことを学び続けています。

そして僕と見城さんの間には、信用ではなく、信頼がある。少なくとも僕はそう思っています。信用はちょっとしたことでなくしてしまうことがある。例えば、遅刻などがそうです。でも、見城さんが遅刻しても、僕は失望したりしません。きっと何かあったのだろうと思うだけです。

このことは恋愛でも言えます。信用はまだまだ恋愛の入り口です。でも、それが相手への揺るぎない信頼に変わると、本当の恋愛になります。

つまり、モテるためには、まず相手から信用されること。そしてそれを信頼に変えるために、努力しなければなりません。

鳥羽 周作 レストラン「sio」オーナーシェフ

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とば しゅうさく / Shusaku Toba

sio株式会社代表取締役。Jリーグクラブの練習生、小学校の教員を経て、31歳で料理の世界へ。2018年「sio」をオープン。同店は、「ミシュランガイド東京」に2020年から6年連続で掲載。現在、「sio」「sio Aoyama」「o/sio」「o/sio FUKUOKA」「㐂つね」「ザ・ニューワールド」「おいしいパスタ」「NAGANO」「FAMiRES」と9店舗を展開。書籍、YouTube、SNSで公開するレシピや、フードプロデュースなど、レストランの枠を超えて様々な手段で「おいしい」を届けている。モットーは「幸せの分母を増やす」。

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