「うやむやにされるのは嫌なので断ったら、珍しく食い下がってきたんです。どうしても一緒に行きたい、と。車の中で付き合ってくれと逆告白されたのですが返事はできませんでした。私は結婚したかったので、主人の広い友だち関係の延長は嫌でした……。もう傷つきたくなかったんです」
それでも健一さんへの愛は残っている。3日後、交際OKの返事をした。結婚願望がないだろう健一さんが相手なので一生独身でいる覚悟をしたという。
「美晴から返事がなかったので3日間もモヤモヤしました」
健一さんは3日どころか5年も美晴さんを待たせたことを忘れ果てているようだ。彼女の悲壮な覚悟をよそに、半年後にはプロポーズしたのも健一さんだ。気持ちが読みにくい人だな……。
死産した娘は2人の初めての共通の大事
なお、美晴さんからもらったラブレターは大切に保管してある。Zoom画面越しに嬉しそうに見せてくれた。横では美晴さんが「いやー、それはヤバい! ハズ!」と身もだえしている。直球勝負の美晴さんと変化球しか持っていない健一さん。性格は真逆の夫婦だが、笑いは絶えないようだ。
美晴さんと健一さんは家族の相性も良かった。一人っ子の美晴さんは母親から溺愛され過干渉されて育った。だからこそ、マザコン気味の前彼には同族嫌悪を感じてしまったのかもしれない。それに対して、健一さんの家族は拍子抜けするほど個人主義的なのだという。
「お姉さんは独身1人暮らしで、お母さんは元気で飄々とした人です。愛情はあるけれど放任主義で、私たちからの電話もあまり嬉しそうではありません。電話が嫌いらしく、いつもオレオレ詐欺と疑われます(笑)」
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