建築家がまちづくり「ニシイケバレイ」の"豊かさ" 「自分の街は、自ら住みやすく変えていく」

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事務所のメゾネットスペース。奥の開口部はCaDとつながっている(提供/須藤剛建築設計事務所)

目白をより良い街にしていくことに貢献していきたい

また建築設計事務所とは別にお店をもつことで、街に関わる機会にも変化があったといいます。

「建築に手を加えるにはたとえ小規模な改修であっても、それなりのコストや手間がかかります。そのため設計者として街に関わるタイミングはいろいろなことが決まった後になりがちです。

しかしお店のオーナーであれば、街のうまく使われていない場所に一日お店を出すなど一時的なアクションによって街を歩く人の流れが変わったり、その積み重ねで街が変わっていくことに関わっていくことも考えられます。日々お店を見る中で、建物に手を入れずともちょっとした工夫で使い勝手や居心地を変えていくことができることもわかってきました。

つくるプロ、つかうプロ双方の視点をもった建築家として、目白の街をより良い街にしていくことに貢献していきたいと考えています」

CaDを立ち上げた須藤さんは、自ら近隣の店舗に声をかけ、フード&アートイベント「MY FAVORITE PLACE MEJIRO」を共同開催。空きテナントとなっていたビルの一室に、目白の個性的なお店が集まるポップアップが出現しました。

また池袋の東口グリーン大通りで行われた「IKEBUKURO LIVING LOOP」では、通行人のベンチやテーブル、期間中に出店する際に什器としても使用できるファニチャーを制作。低予算で街の景色を一変させる、都市空間の新たな使い方を提案しました。

MY FAVORITE PLACE MEJIROの様子(提供/須藤剛建築設計事務所)
IKEBUKURO LIVING LOOPで須藤さんが設計した、テーブルとベンチを兼ねたファニチャー(写真/筆者)

建築家として店舗の経営も手掛ける須藤さんが、ニシイケバレイやCaDを起点に、今後どのように街を豊かにする取り組みを展開していくのか、目が離せませんね。

●取材協力
須藤剛建築設計事務所
ニシイケバレイ
CaD(Instagram)

(取材・文/ロンロ・ボナペティ)

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『SUUMOジャーナル』編集部

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