メタはなぜ、ファクトチェックプログラムを終了するのか。

メタ・プラットフォームズは1月7日、デマの拡散を抑えるために同社のソーシャルメディアアプリ全体で長期にわたって実施してきたファクトチェックプログラムを終了すると発表した。同社がトランプ政権の復活に向けて自らの立場を変更し、ネット上の言論を束縛から解き放とうとしていることを如実に示す動きだ。
フェイスブック、インスタグラム、ワッツアップを傘下に持つメタは、今後は一段と幅広い言論を許容し、不正確な投稿や虚偽の投稿の訂正はユーザーに任せ、政治的なコンテンツに対してはより個別化したアプローチをとると述べた。過去10年間は自社の価値観からあまりにもかけ離れていたと、同社は今回の変更を後悔の言葉で説明した。
メタの最高経営責任者(CEO)マーク・ザッカーバーグは「表現の自由をめぐる私たちの原点に戻るときが来た」と、変更を発表した動画で発言。同社のファクトチェックシステムは「間違いが多すぎて、検閲が過剰になるところまで来ていた」と付け加えた。
ザッカーバーグは今回の決定の結果として、プラットフォーム上に「悪いもの」が増えることを認めた。「現実にトレードオフは生じる。悪質な投稿が捕まることは減るが、誤って削除される無実の人々の投稿やアカウントの数も減ることになる」
会食、寄付、人事…あからさまな取り入り工作
2024年11月にドナルド・トランプが大統領選挙に勝利して以来、メタほどあからさまに次期大統領に取り入ろうとしてきた大企業はほとんどない。