ほかの職業が皆そうであるように、マンガ編集者もまた大変な職業だと思う。創作は非常にウェットで個人的な行為だが、その成果物を商品として世に出していくためには、非常にドライでビジネス的な行為も求められる。個人の思いと資本主義に挟まれながら、何とか調和を見いだすのが編集者という仕事なわけだ。
「悪者」を作らない世界の捉え方を提示
この板挟みはとても苦しい。時には思いっきりビジネス側に立って作家に「こうしてください」とハッキリ意見してみたり、あるいは創作側に立って「これはこういう作品なので、あとのことは知りません」と開き直ってみたりと、どちらかに逃げ込みたくもなる。が、それは一方的で暴力的で不機嫌で……何より自分が幸せだと感じられない働き方だ。
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