さらばスマホのヨコ持ち!動画もタテになる 新しい動画視聴スタイルが登場した
「Daily Mail」北米支社のCEO、ジョン・シュタインバーグ氏は「今回設立するクリエイティブ・スタジオは3社で運営し、『タテ型動画』を制作することに集中する」と語る。さらに、「われわれは『タテ型動画』の未来に賭けた。将来的にモバイル動画は『タテ型』が主流になるだろう」と自信を示した。
米DIGIDAYによると、パブリッシャーが「Snapchat」専門スタッフを置く動きも拡大しているようだ。「Snapchat」がパブリッシャーにもたらす利益はいまだ定かではないが、今年1月に開設したアプリ内のコンテンツチャンネル「Discover」には、「Buzzfeed」「Cosmopolitan」「CNN」「People」「National Geographic」などの一流パブリッシャーが参加している。
ちなみに、パブリッシャーにとって「Snapchat」の専門家を雇う動きは、大きな投資となる。CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)が、「タテ型動画」のフォーマットやインターフェイスなどと、まったく異なるからだ。アメリカのニューステレビ局「CNN」は、他のプラットフォームには専門スタッフを置いていないが、「Snapchat」だけには用意。このサービスが「新しいユーザー層を獲得できる場所」だと考えているためだ。
「Periscope」「Meerkat」のユーザー獲得競争
さらに今年、「タテ型動画」に新しい動きがあった。まず、ライブ動画配信アプリ「Meerkat(ミーアキャット)」が、3月上旬にテキサス州で開催されたアートとテクノロジーの祭典「SxSW」で脚光を浴びたのだ。ボツワナ、ナミビアの砂漠に生息するマングース科の動物「ミーアキャット」が名前の由来となるこのアプリ。「タテ型動画」のライブ配信を5000人が同時に視聴できる。
そんななか、Twitterもライブ配信事業に参戦。約1億ドルでライブ動画配信アプリ「Periscope(ペリスコープ)」を買収し、3月下旬に「Meerkat」キラーとして再リリースしたのだ。そうして、両者のユーザー獲得競争の火蓋が切って落とされた。
この2つのアプリは、すぐさま企業のマーケティング戦略に利用されるようになる。ある乗用車メーカーは、自動車ショーで新車発表ライブに採用。ゼネラルエレクトリック(GE)は、ドローン(無人機)にスマートフォンを搭載し、ライブ中継を行った。さらに「YouTuber」のように、食レポ、ビデオブログ、街案内で、フォロワーを集めるユーザーも現れた。