国際社会は、中国による南沙諸島の軍事化を非難し、中国に針路変更を迫り、海洋環境にとって一層破壊的な影響を及ぼす軍事衝突のリスクを最小化すべきだ。さらに広い意味では、南シナ海の浅水域の生態系の悪化・破壊に責任のあるすべての国が、この地域の生物学的多様性や経済の生産性に脅威を与える行動を中止しなければならない。
南沙諸島と南シナ海の大部分については第二次世界大戦の後、境界線争いが繰り返されてきた。中国の最近の埋立行為は、生物多様性条約 (CBD) や、絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引に関する条約 (CITES) などの国際条約に違反している。
大国の責任
中国の南シナ海における行動は、中国領海内の航行権を保証する、1982年の国連海洋法条約にも違反。また、中国による南沙諸島の軍事化は、南シナ海に関する行動宣言に明白に違反している。
この宣言は、調印国であるASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国と中国に対し「紛争を悪化させ、平和と安定に悪影響を与える行動を自制すること」を要求。「現在人が居住していない島、岩礁、浅瀬、洲などに居住する行為を差し控え、建設的に相違点に対処すること」も含まれている。
宣言から13年が経過したが、ASEANは南沙諸島と南シナ海の状況について中国と合意に達するよう一層の努力をすべきである。また、国際社会はこの努力を支援すべきだ。
この地域のすべての国々に、海洋環境を監視・保護し資源を管理する責任がある。しかし、本当の責任は中国にある。国際法の順守について模範を示し先導するのは大国の責任である。中国は、南シナ海を手始めに、その責任に応えなければならない。
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