ホンダ電動化の幕開け、BEV「N-VAN e:」に期待 ガソリン車オーナーとして進化に注目したい

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そのため、都市部の配送業など商用ユースなら十分だろう。また、一般ユーザーでも、あまり遠出はできないが、片道100km圏内のドライブであれば、出先で充電しなくても帰ってこれそうだ(実際は、走り方や天候などの状況で変わるが)。

e:FUNに標準装備されている急速充電ポート
e:FUNに標準装備されている急速充電ポート(写真:三木宏章)

ちなみに、バッテリーの充電は、フロントグリルの右側にあるハッチを開ければ普通充電が可能で、充電時間は6.0kW出力で満充電まで約4.5時間。また、e: FUNでは、フロントグリル左側ハッチ内に急速充電ポートも標準装備する(他グレードはオプション)。これを使えば、50kW対応の急速充電もでき、約30分で80%の充電を可能とする。

N-VAN e:の価格(税込み)は、243万9800円~291万9400円。ガソリン車の価格(税込み)が136万5100円~201万6300円だから、やはりBEV版のほうが全体的に高い。ただし、国や地方自治体の補助金を使えば、個人でも200万円以下で購入できる場合もある(自治体やモデルによって異なる)。そのため、企業だけでなく、個人が購入する場合も価格面ではかなり魅力的だ。

全固体電池の開発に期待

ホンダが公開している全固体電池のサンプル
ホンダが公開している全固体電池のサンプル(写真:本田技研工業)

ただし、筆者の場合、駐車場が自宅内になく、やや離れた場所に借りている。そのため、自宅にEV用充電器を設置できない。BEVだと、やはり夜間の充電ができないのは遠距離を走る際に不安だ。こうした問題は、例えば、マンションなど集合住宅に住んでいる人なども同様だろう。駐車スペースは、マンションの共用スペースとなり、もしEV用充電器がない場合、新たに設置するには、管理組合などの承諾が必要なケースも多いと聞く。

そう考えると、あくまで私見だが、BEVは充電の場所や時間、そして航続距離の点で、まだまだ実用的と言い難く、購入の対象になりづらい。だが、いつまでもそうは言っていられないのもたしか。そこで、今後期待したいのが「全固体電池」の実用化だ。

全固体電池とは、ざっくりと言えば、電気を貯めたり放出したりするのに必要な「電解質」に、従来の液体ではなく固体を使うバッテリーのこと。現在、EVなどに使われている一般的な液体リチウムイオン電池と比べ、エネルギー密度が高いなどで、走行距離を大幅に伸ばし、充電時間の短縮が期待できるなど、さまざまなメリットを生むといわれている。

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