ホンダ電動化の幕開け、BEV「N-VAN e:」に期待 ガソリン車オーナーとして進化に注目したい

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とくに、このときは、事前にNAエンジン車で同じ場所を走ったあと。NAエンジン車は「最高出力39kW(53PS)・最大トルク64N・m(6.5kgf-m)」で、筆者が乗るガソリン・ターボ車の「最高出力47kW(64PS)・最大トルク104N・m(10.6kgf-m)」よりも非力だ。そのため、例えば、50km/hから100km/hまで加速した際、車速の伸びがかなり遅い印象だった。その点、N-VAN e:の加速は驚くほどスムーズで、愛車のガソリン・ターボ車を超えるほど余裕ある感じだった。

なお、N-VAN e:のスペックは、e: FUNやe: L4の場合で、「最高出力47kW(64PS)・最大トルク162N・m(16.5kgf-m)」。最高出力はガソリン・ターボ車と同じだが、最大トルクがかなり太くなっている。それでも、ホンダによれば、N-VAN e:は発進時のアクセル応答性を一般の乗用BEVなどよりも抑え気味にしているという。発進などであまり急激な加速をすると、多くの荷物を積載しているときに、荷崩れが起こる可能性もあるからだ。このあたりは、やはり配送業など商用ユースが前提のモデルらしい点。走行性能にも、一般ユースとは異なる独特な味付けを施しているといえる。

コーナリング性能について

ワインディングを模したテストコースでの試乗シーン
ワインディングを模したテストコースでの試乗シーン(写真:三木宏章)

N-VAN e:は、車両重量もバッテリーの搭載などで約200kg重くなっているのだが、そうした重さもあまり感じない。逆に、ゆるいカーブを100km/h程度で走行する際、抜群の高速安定性を発揮した。これも、前述した重いバッテリーを床下に配置したことで、車体の重心が低くなっていることが、好影響となっているようだ。また、N-VAN e:は、タイヤを12インチから13インチに大径化したほか、車両重量増に合わせてサスペンションの設定も最適化。路面からの突き上げ感や細かい振動なども感じづらく、乗り心地も向上していることが体感できた。

また、ワインディングを模したようなコースでは、コーナー進入で減速する際、ブレーキペダルを踏んだぶんだけリニアに車速が落ちていく感じが好感触だった。電動サーボブレーキなどの採用により、ガソリン車よりも車両重量が重いわりに、ブレーキの操作性はかなりいいといえる。

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