ホンダ電動化の幕開け、BEV「N-VAN e:」に期待 ガソリン車オーナーとして進化に注目したい
さらに、コーナー旋回時は、これも車体の低重心化による恩恵か、車体がコーナー外側に傾くロール現象も少ない印象。旋回性能の安定感は、ガソリン車以上かもしれない。そして、コーナー出口でアクセルを踏み込むと、EVならではのスムーズで心地よい加速。荷物搬送などがメインの軽商用バンなのに、意外にもスポーツセダン的なテイストさえ感じられた。
ただし、例えば、細い路地などでハンドルを左右に切り返す際や、低速でUターンをするときなど、低・中速域ではハンドルがやや重い印象もあった。おそらく、タイヤの外径を12インチから13インチに大径化しているためだろう。こうした点も慣れの問題かもしれないが、都市部などを軽快に走るという点では、ガソリン車のほうが優れているかもしれない。
BEVならではのお役立ち装備
N-VAN e:では、さらにBEVならではの付加価値として、出先でホットプレートや電気ケトルなどの家電を使うことも可能。オプションのAC外部給電器「ホンダ パワーサプライコネクター(Honda Power Supply Connector)」を普通充電口に差し込めば、最大出力1500Wの外部給電を行うことができる。
また、e: FUNには、前述のとおり、フロントグリル左側の急速充電ポートも標準装備(他グレードはオプション)し、高出力対応の外部給電機能も採用する。ホンダが販売する運搬可能な高出力給電器「Power Exporter e: 6000(6000W対応)」や「Power Exporter e: 9000(9000W対応)」を使えば、たくさんの家電を一度に稼働することも可能だ。これらにより、N-VAN e:は、野外でのレジャーはもちろん、災害時などにもクルマを電源として役立てることを可能とする。
ほかにも、当然ながら、BEVならではの高い静粛性も特徴だ。とくに夜間などに住宅街などを走る際には、あまり気を遣わずに走れる点もいい。その静かな走りは、軽商用バンながら、どこか高級かつ上質な乗り味さえ感じさせてくれる。
なお、N-VAN e:の1回の充電における走行距離(一充電走行距離)は、WLTCモード値245kmだ。同様の軽商用EVでは、例えば、三菱自動車の「ミニキャブEV」や日産自動車の「クリッパーEV」の一充電走行距離は、いずれもWLTCモード値で180km。N-VAN e:の航続距離はライバル車と比べ、かなり長いほうだといえる。
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