理想の体形や収入がいつまでも手に入らない理由 強い願いも｢無意識｣に打ち負かされてしまう

このテストをすると、ほぼ100％の人が戸惑い、うまく答えられなくなります。それは、あなたの記憶力が悪いせいでも、注意力がないせいでもありません。

脳が「赤いものだけ」にフォーカスをしていたからです。つまり、顕在意識で「赤いものだけ」を探していたので「“黒いもの”はいくつありましたか？」と想定外の質問をされると脳は混乱し、答えられなくなるわけです。

もちろん、黒いものも視界には入っていたはずです。あなたの意識のほとんど、つまり99％は無意識に支配されているという事実に、納得いただけたでしょうか？

このように、膨大な情報の中から対象を絞り込んでフォーカスをする機能のことを「RAS」といいます。「RAS」（Reticular Activating System）とは「網様体賦活系」の日本語の略称で、いわば脳のフィルターです。

自分の興味や関心のある情報だけを、無意識にインプットしてくれます。例えば髪の毛を切ったとき、男性よりも女性のほうが気づいてくれる可能性が高いとされます。これは一般的に、女性のほうが美容（ヘアスタイル）への興味が高いため、RASによって美容にまつわる情報をキャッチしやすくなっているからです。

一方で、RASは興味・関心がないことには反応せず、情報をスルーします。すべての情報を受け取ってしまうと、脳に大きな負担がかかってしまうためです。つまり、RASとは非常に優秀な、脳のフィルターなのです。

RASをうまく使いこなせば、望む情報やチャンスをいち早く見つけて、人生を好転させることができます。このように、人の行動の99％は無意識に支配されています。顕在意識ではなく、無意識こそがあなたの人生に対して大きな影響を及ぼしているのです。

しかし、無意識はポジティブな結果、ネガティブな結果、どちらも引き起こしています。なので、無意識をうまく活用し、あなたの行動を理想に近いものへと変えていくことが大切なのです。

過去のあなたの行動が、今のあなたをつくっているように、これからのあなたの行動が未来のあなたをつくるからです。

理想の体形や収入が手に入らないのは？

わかりやすい例は「体形」や「収入」です。「痩せたい」「ダイエットしたい」と思いつつ「食べずにはいられない」という話はよく聞きます。それは「食べること」の優先順位がその人の中で無意識に高くなっているからです。

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「美食家だから食べたい」というわけでなく「現実社会でたまったストレスを発散するために、食べずにはいられない」という人もかなり多いです。

いずれにしても、無意識に突き動かされ（すでに満腹なのに）「食べずにはいられない」わけです。もし顕在意識で自分の行動をコントロールできるなら、食事の量は適量で抑えられますし、ダイエットにもラクラク成功できるはずです。

筋トレや運動習慣も同じです。「ボディーメイクのために筋トレをしたい」と思いつつ、習慣化できない人は非常に多いです。「忙しい」「面倒くさい」など、言い訳をしてサボってしまう人は、あなたの周りにも多いでしょう。

こうなってしまう理由は、無意識のレベルでは、他にやりたいことがあったり、自分には必要ないと感じたりしているから続かないのです。もし顕在意識で自分の行動をコントロールできるなら、誰でもうまく運動を生活に取り入れて、理想のボディーをさっさと手に入れているはずだと思いませんか？

さらに厳しいことを言うようですが……。収入についてもまったく同じです。「もっと稼ぎたい」「経済的な自由を得たい」と願っていても、なかなか叶えられていない人はたくさんいます。

その理由は、無意識のうちに「自分には稼げる能力がないから」「豊かになんてなれっこないから」と自分自身に制限をかけ、正しい方向への行動ができないからです。もし顕在意識で自分の行動をきちんとコントロールできるなら、誰でも億万長者になって、経済的・時間的な自由を手に入れているはずですよね。

だからこそ、理想の「体形」「収入」を目指すには、顕在意識ではなく無意識をうまく使いこなす必要があります。

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