物価高でも割安、北欧「弾丸フェリー旅」楽しみ方 オスロとコペンハーゲンを結ぶ0泊3日の旅
北欧の諸都市間は定期フェリーで結ばれ、1泊2日の行程になる区間は大型フェリーで1日1便程度、陸地と陸地が接近している部分では、所要時間20分程度の区間もあるなど、さまざまな航路がある。
短距離区間の船内は椅子席で、日本の航路でよく見かける大部屋の桟敷席は1泊2日となるフェリーにもない。日本国内でも新造船を中心に桟敷席はなくなっているが、海外では大浴場がなく、個室内にシャワー完備が標準なので、どうしても運賃は日本より高額となる。
そんな北欧のフェリーだが、2023年9月にオスロ―コペンハーゲン間で利用した。運航するのはデンマークのDFDSシーウェイズという船会社である。この間は片道運賃が日本円で1万5000円程度からとなるが、閑散期を中心に割引があり、双方からフェリーで往復する0泊3日のプランがある。
この航路は双方の港を15時に出発し、翌日10時に到着するので所要時間は19時間、オスロからコペンハーゲンへのプランでいえばコペンハーゲンに5時間滞在、逆方向でいえばオスロに5時間滞在できるものである。日本でも関西―大分間で「弾丸フェリー」として、0泊3日、現地での宿泊がなく、2泊とも船中泊となる格安プランを行っていたことがあったが、それと同じようなプランが北欧にもあったのである。
筆者は往復1万8588円(実際のカード支払い額)、4人部屋のインサイドキャビン(窓のない内側の部屋)を利用したが、実際は4人部屋を1人で利用できたので、北欧ということを考慮すると格安に感じた。
クルーズ船気分、乗船するだけでも価値がある
北欧の夏は短く、旅行者はその短い夏に集中する。フェリーはかなり大きく、物流関連のトラックなど1年中安定した需要にも対応できる。しかし、旅客需要は季節によって大きく変動するので、閑散期の需要喚起の意味もあってこのようなプランが行われているのであろう。かといって真冬は極寒なので、日本の春や秋がちょうどいいのではないだろうか。おそらく繁忙期の夏季は4人部屋を1人で占領とはいかないと思う。筆者が利用したのは9月末であったが、日本の晩秋といった気温であった。
現地では5時間しか滞在できないのであわただしく感じるが、双方の港は市内中心地から近く、コペンハーゲンでいえば下船した場所から人魚姫や市内中心となるニューハウンは徒歩でアクセスできる。また、船に戻ったとき甲板にあるプールが賑わっていたので、下船せず船内にとどまった乗客も多かったように感じる。つまり、定期フェリーでクルーズ船気分を味わっているのだ。筆者も大きな荷物は部屋に置いたままコペンハーゲンを5時間弱楽しんだ。
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