個人投資家が語る「インデックスファンド」超入門 インデックスファンドの強み、投資への考え方
最近では市場が急落しても私は気にしない。しかし、ずっとそうだったわけではない。
1987年10月19日月曜日、私は普段どおり出勤した。忙しい一日だった。その日の終わりごろ、私はストックブローカーのウェインに電話することにした。ただ久しぶりだなと思ったからだった。電話に出た彼は慌てた様子だった。
「調子はどう?」と私は明るく言った。
「おい、本気で言ってるのか?」。彼の声は沈んでいた。「人生最悪の日だよ。怒鳴り散らす顧客から、ひっきりなしに電話がかかってくる」。
「ブラックマンデー」と呼ばれる運命となったこの日に、市場は22.6%下落した。たったの一日でだ。一日の下げ幅としては過去最大だった。息をのむような恐ろしい事態だった。
私は自分が取るべき行動を知っていた。何もしない。じっと踏ん張って「航路を守る」、つまり道をそれずに現状を維持することだ。市場は必ず回復するから、それまで待つ。しかしわかっているからといって、必ずしもできるとは限らない。
相場は下がり続け、ついに12月のある日、怖気づいた私は株を全部売り払った。完全な底値ではなかったが、底値同然だった。その後、傷口に塩を塗るかのように、相場はすぐに向きを変えて上がり始めた。私は株価が以前の最高値を超えてさらに上昇する様子を、なすすべもなく見守っていた。それは厳しく、高くつく教訓だった。
教訓がしっかりと身についた
代わりにこの教訓はしっかり身についた。今の私は、市場の下落はたとえ異常なほどの暴落であっても、正常なプロセスの一部に過ぎないということが、頭だけでなく直感的にわかる。市場が提供してくれる桁外れの利益によって富を築きたいのなら、下落による損失は参加費みたいなものだ。
もちろん、口で言うのは簡単である。次の暴落時には、いつものようにパニックが起こるだろう。メディアは気をもむ投資の達人たちの姿で埋め尽くされるだろう。しかし、そういうものはすべて雑音に過ぎない。無視するのがいちばんである。このような下落は、ニューイングランドのブリザードやフロリダのハリケーンのように普通のことなのだ。恐ろしいし危険なこともあるが、必ず過ぎ去る一時的なものである。
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