個人投資家が語る「インデックスファンド」超入門 インデックスファンドの強み、投資への考え方
4 インデックスファンドは「時価総額加重型」である。つまりシンプルに言うと、大企業であればあるほど、ポートフォリオ全体に占めるその企業の割合は大きくなる、ということだ。私たちが所有する株の中で、成長し繁栄している企業の割合が増えるのだ。
失速した企業は、業績が回復しない限りその割合が小さくなるか、完全に消えてしまい、代わりに新たな新興企業が入ってくる。会社に起こり得る最悪の事態は、完全に失敗して100%の損失を出すことであり、逆に最高の事態は、100%、200%、1000%、10000%、あるいはそれ以上の利益を出すことである。私たちにとっては好都合だ。
5 こうした一連のプロセスを私は「自浄作用」と呼んでいる。インデックスファンドを買って保有し続けるのがいいのは、この作用があるからだ。
6 アメリカが強力で生命力のある資本主義経済を持ち続ける限り、このプロセスに終わりはないだろう。もちろん永遠に続くものは何もないし、アメリカだっていつかはローマと同じ道をたどるだろうが、個人的にはすぐにそうなるとは思えない。しかし、もしその時が近いと信じているなら──現にそう思っている人もいる──「シンプルな道」はあなたには向いていない。缶詰や弾薬を備蓄したほうがいいだろう。
自分の国の外にも目を向けよう
7 投資家に対して、自国市場の株だけ持っていればいいと私が勧められる国は、アメリカだけだ。海外の読者は自分の国の外に目を向けるべきである。私はトータル・ワールド・インデックスファンドをお薦めする。
8 市場全体を上回る成果は出せないという見方は、ちょっとピンと来ないかもしれない。確かに私もそう思った。そのせいで長らく個別銘柄選びを続けていた。本当に優れた会社をただ何社か選べば結果が出せる、あるいは明らかに業績の悪い会社をただ避ければいい、というのは疑いの余地もないように思える。
しかし、ここでは「ただ」という言葉が重大な意味を持っている。数十年にわたる調査によれば、どの年を見ても、アクティブファンドの運用会社の中で市場平均を上回る成績を上げるのは、多くて25%程度に過ぎない。続ければ続けるほどその割合は低くなる。30年後には1%以下、つまり統計的にはゼロになる。
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