Tabio「消費者を陰謀論者扱いして炎上」の問題点 SNS発信では言い方が10割、正しいかではない

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【そもそも、どの程度個性的に振る舞うべきか?】

そもそも論として、「企業のアカウントはどれだけ個性的に振る舞うべきか?」という以前からの課題がある。

ずっと「ご意見として承ります」「参考にいたします」「ご指摘ありがとうございました」といった無味乾燥で形式的な反応を繰り返していれば、炎上がない代わりに注目も浴びにくい。

中の人や企業の本音を読めるからSNSという場でわざわざ企業アカウントを見る価値がある。SNS上にはアイドルや識者、ミュージシャンにスポーツ選手など、個性的な発言で大いに楽しませてくれるアカウントが無数にいる。なぜ機械的で、かつ脱色したアカウントを見なければいけないのか。

対話と企画の拡充が大事だ

ということで、残るのは「ある程度は個性的」なアカウントである必要がある。

ただし、本来の目的は「企業のブランド成長、収益向上」につなげることにある。もちろん悪名も名声のうちと考えることはできる。ただし、もっとポジティブに知名度上昇につなげられないものだろうか。

それは対話と企画の拡充なのだろうと私は思う。

たとえば私が紳士用スーツを作っているメーカーとする。そしてSNSで「現在では破れないスーツが実現できるのに、スーツメーカーは自社のスーツを売るために破れるスーツを販売している」と批判があったとする。

そうしたら、なるほど消費者の一部にはこういうことを考える人がいるのだな、と諦念するしかない。そして対話をして、実際に自分たちがどのような研究をしているか、そして競合他社との商品耐久性比較を対比していく。

まったく破れないスーツというのは理屈上ありえない(銃弾にさらされても穴一つ開かないはずがない)が、たしかに5年ではなく10年ほど耐久性のあるスーツは生産できるかもしれない。

ただ、コストが異常にかかり、重量が重くなる。さらに10年も経つので先端のデザインからは離れてしまう。この場合、「それに10年も同じ体型を維持しているお客様も少ないのですよ(笑)」とでもつけておけば、ユーモアだと伝わるかもしれない。

筆者が数秒で考えたユーモアなので、どの程度の人が笑うかはわからないが、とは言え「陰謀論の領域」と一刀両断するよりは、はるかに印象はいいはずだ。

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