上昇が続くビットコインは「バブル」といえるのか 暗号資産推進派のトランプ勝利で高騰続く
③ビットコインETF市場の急激な拡大
前述のように、ビットコインETFはいまや15兆円もの市場に成長している。ビットコイン全体の時価総額は今や300兆円に達し、ビットコインを含む暗号資産全体の時価総額も約3.3兆ドル(約500兆円)にも成長しており、マイクロソフトなどアメリカの巨大テック企業に匹敵する規模となっている。その推進役となっているのがETFと言うわけだ。
④インフレ懸念の再燃
ビットコインや金は、インフレに強いと言われている。インフレによって通貨が目減りしていく中で、その価値を維持し続けてくれそうな金やビットコインが注目されて、数多くの投資家に購入されているわけだ。
⑤地政学リスクの高まり
2024年はまさに第三次世界大戦の前哨戦ではないかと思われるような、地政学リスクの高まりがあった。ロシア・ウクライナ戦争をはじめとして、イスラエルや中東諸国では熾烈な戦火を交えている。中国も東アジアでの海洋進出を着々と進めている。地政学リスクの高まりで、いざと言う時に役立つ資産としてビットコインなどの暗号資産が注目されてきている。
トランプ次期大統領が準備しているかもしれないと言われているビットコインを外貨準備に組み入れるプランも、あながち笑い話では済まない状況が進んでいるわけだ。
ビットコインの価格形成に影響を与える4つの要因
ところで、こんな状況でビットコインは今後どうなるのだろうか……。そもそもビットコインはどんな要因で価格が形成されるのか。ビットコインの価格が動くメカニズムを考えると、次のような要素が考えられる。
1.需給のバランス
トランプ氏が大統領選挙で優位に立つにつれてビットコインの価格は上昇し、この数カ月で価格は上昇を続け、市場から大量のビットコインが移動していると報道されている。
ビットコインは、あらかじめ供給量を2100万枚に制限されているために、投資家が将来の価格上昇を期待すれば、投資家はビットコインを抱えて離さなくなり、その価格は上昇することになる。現在のビットコインの時価総額300兆円のうち、約7割程度を個人投資家が保有している。個人投資家が一斉に利益確定で売却すれば、価格は暴落することになる。
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