競馬である。
いよいよ年末。とくれば普通は22日の有馬記念となるのだろうが、私はリーディングサイヤー争いが気になって仕方がない。何しろキズナが、社台グループ自身も驚きの大活躍で、いまやディープインパクトの仔として最高の後継馬で、ダートなど、ディープよりもいろいろな条件にタフなところもみせ、素晴らしい種牡馬となっているからだ。
キズナ産駒の少ない朝日杯はモーリス産駒から
私は、キズナという名前がいかにもで、かつ大震災と結び付けられたのを安直すぎると毛嫌いしていたため、種牡馬としても過小評価していた。しかし、母のキャットクイルは、私が過去に人生でもっとも応援していた生産牧場、早田牧場の至宝の血統を生み出したパシフィックプリンセスを母に持つ。
彼女はパシフィカスを産み、これを購入した早田牧場は、ビワハヤヒデ、ナリタブライアンの2頭のクラシックホースをパシフィカスから得た。もちろんナリタブライアンの父はブライアンズタイムで、サンデーサイレンスと双璧となり、Hail to reason系を日本に広めた。
パシフィカスとブライアンズタイムで社台グループに次ぐ2位の生産者となった早田牧場は「打倒社台」をぶち上げて、福島にJRA(日本中央競馬会)トレーニングセンターをもしのぐ天栄ホースパークを開場した。しかし、これらの財政的な無理がたたって、破産した。
その結果、皮肉なことに天栄ホースパークは社台グループの手に渡り、現在の社台グループの繁栄の最大の要素の1つになっている(ちなみに、ブエナビスタは早田牧場の生産馬のビワハイジの仔だが、ビワハイジは社台が引き取ってから大物を続出した)。
また、早田牧場は、パシフィカスの妹たちも次々と購入し、アサーティブプリンセス、トロピカルサウンドなどを購入した(私は、この2頭の牝馬の子供を一頭ずつ一口馬主として出資した)。しかし、いちばんの大物は、彼女たちの妹、キャットクイルで、こちらはノースヒルズが購入し、ファレノプシス、キズナを産んだ。
ということで、キズナは偉大な一族から出ており、底力もあり、私が大好きな血統であり、名前で毛嫌いしたのは大失敗だったというわけだ。パシフィックプリンセスの底力は、その父のDamascusから来ていると私は勝手に思っている。
となれば、15日の朝日杯フューチュリティステークス(京都競馬場、芝コース、距離1600メートル)は、キズナ産駒からと言いたいところである。
だが、8日の阪神ジュベナイルフィリーズは、キズナだらけだったのに、朝日杯はなぜかキズナ産駒は1頭だけで、かわりにモーリス産駒が3頭もいるのだが、その中では、人気のないタイセイカレント(8枠16番)を狙いたい。人気のアルテヴェローチェに前走は惜敗したが、上がり3ハロンの足はこちらが上で、逆転を期待する。単勝。
※ 次回の筆者はかんべえ(吉崎達彦)さんで、掲載は12月21日(土)の予定です(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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