つまり、水準そのものではなく、そのスピード、上昇率に関する加速度である。最後に急速にスピードを上げ、クラッシュする。実生活で見られるあらゆる事故、クラッシュと同じである。
バブルの最後は、もはや理屈は関係なくなっている。また、最強気のトレーダーだけが残っており(まともな人は降りている。あとは本当の素人、初心者、人に薦められて買っている人々だけである)、そして、彼らはバブルが崩壊しないうちにとことん稼ぎ尽くしておきたいという焦りで、最後は乱暴になるのである。
ほとんどの投資家は2度バブルに乗り、致命傷を負う
第2に、バブルの最後は、ピーク水準で乱高下を続ける。過去の最高値に急激に近づく、あるいは、何らかの目標となる水準に近づき(日本株なら日経平均株価4万円、あるいは史上最高値更新、ビットコインなら10万ドル前後)、そこでモミ合った後、それを突き抜け、最後に加速し、そこから少し暴落し、ピーク水準で乱高下を続けながらモミ合う。そして大暴落、というパターンである。現在、株もビットコインも大暴落の直前の状況だ。
第3に、バブルは2度崩壊する。2度目にとことん崩壊して、バブルは終わる。だから、1度目で降りれば、実は間に合う。しかし、ほとんどの投資家は、1度目のバブル崩壊で失った利益を取り返そうと、もう1度バブルに乗る。
実際、1度目のバブル崩壊では、これまでの含み益が喪失しただけで、財務的に追い込まれたわけではない。損失が出たとしても(含み損でも実損でも)、これまでのバブルで十分儲けてきたからトータルではプラスは維持されているはずである。
しかし、それは別の財布、別のメンタルアカウンティングなのである(行動経済学では有名な行動バイアス)。「今回の損」を取り返そうと、あるいは一連のバブルでのトータル最大利益の利益確定のタイミングを逃した悔しさで、もう1度バブルに乗り、利益がこのバブルにおいて最大になったところで、今度こそ降りようとする。
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