記事の目次
川西市立多田小学校の新教育課程の成果
精神疾患による休職者に寄り添う「ゆきこ先生」
大阪市立大隅西小学校に起きた大変化
精神疾患による休職者対応、学校と企業の違い
「昭和すぎる学校」4つの損
大脳「前頭葉」機能の不活発が増えている理由
スマホが学力を「破壊」する…
生徒たちが疲れ切っていた公立進学校で起きた大変化
学級経営の危機への対処法
都立高校「進学指導重点校」徹底解説

川西市立多田小学校の新教育課程の成果

川西市立多田小学校(兵庫県川西市)では、2023年度より「学年担任制」「教科担任制」「40分授業午前5時間制」を組み合わせた新教育課程を導入した。この取り組みは、教員の負担を軽減して多様な働き方に対応するとともに、児童の自律を促すことを目的としている。

導入から1年半を経て、どのような成果や課題が見えてきたのだろうか。校長の西門隆博氏と、新教育課程のプロジェクトリーダーを務める森優太氏に聞いた。

「学年担任制×教科担任制×40分授業午前5時間制」導入した公立小の1年半後

精神疾患による休職者に寄り添う「ゆきこ先生」

文部科学省が2023年12月に公表した「令和4年度公立学校教職員の人事行政状況調査」によると、教職員の精神疾患による休職者数は6539人で過去最多となった。休職には至っていないものの、疲れ切っている教員も少なくないだろう。

今、そうした教員たちに寄り添うのが、「ゆきこ先生」こと渡邊友紀子氏だ。適応障害で休職した経験を基に、SNSを通じて教員の相談に乗っている。渡邊氏自身は休職を機に、働き方をどのように見つめ直し、現場に復帰したのだろうか。

「ある朝学校に行けなくなった」適応障害で休職した教員が復職後に手放したこと

大阪市立大隅西小学校に起きた大変化

「今から20年前、子どもが主体的に学ぶ授業を目撃し、目から鱗の衝撃を受けた」ーー。

そのときから試行錯誤で子どもたちに任せる授業スタイルを完成させていったという大阪市立大隅西小学校校長の原雅史氏は、2017年に小学校の校長になったことをきっかけに学校全体で学び合いの授業に取り組んできた。

どんな授業なのか、子どもたちはどのように変わったのか。教育ジャーナリストの中曽根陽子氏が取材した。

不登校がゼロに、子どもが「学び合う」授業に変えた大阪市立大隅西小の大変化

精神疾患による休職者対応、学校と企業の違い

ここ数年、年間5000人台で推移していた教職員の精神疾患による休職者数が、ついに6000人を超えた。

学校現場の休職者数が高止まりしたまま、なかなか改善に至らないのはなぜなのか。そして教職員のメンタル対策には何が必要なのか。企業向けのメンタルヘルス対策支援で成長し、教職員向けの支援もスタートさせたメンタルヘルステクノロジーズ社長の刀禰真之介氏に話を聞いた。

教職員「精神疾患で休職」が過去最多の6539人、学校と企業の決定的な違い

「昭和すぎる学校」4つの損

お便りや配布物は紙、集金は現金、問い合わせは電話が中心など、いまだ学校では多くの業務がアナログで行われている。小中学校の児童生徒1人に1台の端末を整備するGIGAスクール構想とあわせて、校務においてもDXが進められているが、その歩みは遅いといわざるをえない。

年末、文部科学省は校務DX化チェックリストの自己点検結果を公表し、学校現場の困り感に寄り添った支援を行うことを明らかにした。今回は、この結果を教育研究家の妹尾昌俊氏に分析してもらった。

FAXだけではない「昭和すぎる学校」4つの損、文科省が道半ばの校務DXを支援

大脳「前頭葉」機能の不活発が増えている理由

子どものからだと心の発達を、全国の子どもを取り巻く専門家の協力を得て40年以上研究しているNGO団体「子どものからだと心・連絡会議」。

当団体によると、近年の日本の多くの子どもたちは、「自律神経が過剰に反応し、睡眠と覚醒、食事、排せつ等の周期の乱れを示し、落ち着いていられず、いわゆる『よい子』であろうと執拗に努力し続けている」状態。アメリカの精神科医ジュディス・ハーマン氏が著書『心的外傷と回復』で述べている「『虐待を受けている子どもたち』と同じ身体症状を呈していると解釈できる」という。

これは何を表すのか。日本体育大学教授であり、「子どものからだと心・連絡会議」議長も務める野井真吾氏に、子どものからだと心の現状と、今必要な子どもの育ちと学びについて聞いた。

子どものからだと心がおかしい、大脳「前頭葉」機能の不活発が増えている理由

スマホが学力を「破壊」する…

「スマホを触ってばかりいると成績が下がる」——。その原因を、「スマホを使用している分だけ勉強や睡眠にあてる時間が短くなるから」だと考える人は多いだろう。しかし、東北大学加齢医学研究所が宮城県仙台市教育委員会と共同で行っている調査からは、ある驚くべき結果が得られたという。

スマホが学力を「破壊」する、成績不振は勉強不足や寝不足ではなかった新事実

生徒たちが疲れ切っていた公立進学校で起きた大変化

創立100年以上の歴史を持ち、長崎県内有数の進学校として知られる県立諫早高等学校(以下、諫早高校)。

近年は脱偏差値型の進路指導「キャリア検討会」に取り組んでおり、総合型選抜や学校推薦型選抜の合格者も増やしている。同校が進めてきたキャリア教育を中心とした学校改革について、その旗振り役である指導教諭の後田康蔵氏に聞いた。

生徒たちが疲れ切っていた公立進学校「脱偏差値型の進路指導」で起きた大変化

学級経営の危機への対処法

新年度が始まってあっという間にひと月が過ぎ、気づけばもう5月も半ばだ。前回は、国立大学法人上越教育大学教職大学院教授の赤坂真二氏に、実現したい学級の姿を描き、その目標から逆算して学級経営の計画を立案するバックキャスト思考を紹介してもらった。

今回は学級経営として注意すべき「6月」を前に、クラスの荒れに対処するポイントを解説してもらった。

学級経営の危機「6月」目前、規律やルールだけではNG「クラスの荒れ」への対処法

都立高校「進学指導重点校」徹底解説

日比谷高校という、東大合格者数が多い高校トップ10に毎年ランクインする都立高校がある。この学校、東京都教育委員会から「進学指導重点校」に指定されており、大学進学指導に重点が置かれているのだ。

「進学指導重点校」とは何なのか。教育水準や合格実績、そして私学中高一貫との違いについて、これまで早稲田アカデミー・駿台・河合塾Wingsで授業に携わってきた教育・受験指導専門家の西村創氏が解説する。

「進学指導重点校」とは?東大合格者数トップ10に入る都立高校の教育水準

(注記のない写真:KazuA / PIXTA)