浜崎あゆみに「今も40代が救われている」深い理由 「タモリも絶賛」令和もあゆが求められている

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このままじゃ摩耗する。彼女自身が、制御不能になった「あゆ」を終わらせようとしている気配も、勝手な想像ながら、何度も楽曲から感じた。1999年には早くも『End roll』という、幕引きをテーマにした楽曲があり、途方に暮れたムードにドキリとした。

浜崎あゆみ
2000年に発売されたアルバム『Duty』(画像:浜崎あゆみ公式サイトより)

2000年の「絶望三部作」と言われる1曲『SEASONS』のMVは、喪服姿だ。ミレニアムに入り、ヒョウ柄タイツのジャケットでおおいに話題を呼んだ3rdアルバム『Duty』の表題作『Duty』は、1つの時代が終わり、〈次は自分の番だって事も知っている〉とエキセントリックに歌っている。

世紀末とミレニアムという特殊な時代が彼女を明るく照らすほど、本人も世の中も、浜崎あゆみが40代、50代になった頃にどうなって何を歌うのか、「未来」が想像できなくなっていく、そんな感じだった。

「私は何を見せればいい?」と必死に問いかけてくる

加えて、彼女がブレイクした1999年は、匿名掲示板「2ちゃんねる」が生まれた年でもある。つまりブレイクと同時に、ファンとアンチだけでなく、そのどちらなのかもわからない、名もない人からの好奇の言葉があふれる状況と並走してきた歌手人生なのである。

逃げたくなるのも当然。辞めたくなるのも当然。2013年、突如アメリカに活動拠点を移したのも、日本に息苦しさを感じていたことは容易に想像がつく。しかし、2015年、2023年の2回、NHK『SONGS』で単独インタビューが行われているが、どちらもアメリカに行った後悔を語った。そして、それをきっかけに

私は“ayu”として、今回の人生は、きちんとすべてのことに向き合って生きていこう」と、すべてを背負うことに決めた彼女は、今も消費されずに立っている。40代、どんな批判が集まろうが、華やかに発信を続けている。その覚悟に圧倒される。

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