「後輩とキャッチボールをしていたときに、筑波大学で一緒に野球をしようと唆されたんです。『寺田さん、高校のときより全然球がよくなっているから、いけますよ』と言ってもらったこともあって、受かるかわからないけど受けてみようと思いました」
アルバイトとトレーニングを続ける生活を続けていた寺田さんがセンター試験の対策を始めたのは1週間前。「今年ダメなら三重大に復学して、野球部に戻ってもいいかな」という気持ちで受けたこともあり、前年度より成績は落としたものの、71%を確保。
この当時、寺田さんが志望する筑波大学体育専門学群は2段階選抜の足切りはなく、筆記・実技の総合評価で合否が判定されました。7割弱が目安だったため、寺田さんの「1次試験」の出来は十分でした。
そして迎えた2次試験。寺田さんは、運命の試験に十分な準備をして挑みました。
「2次試験は2つの競技の実技テストと、保健の筆記テストでした。保健の筆記テストは高校で習う範囲だったのですが、オリンピックの年だったので、それに関連する問題が出るだろうと重点的に対策をしたら、本番でも想定していた問題が出たのでよかったです。
実技試験は野球と陸上を選びました。野球はピッチャー枠で受けたので投球練習(※投手の場合)・トスバッティング・30m走。陸上は100m走、1500m走などの科目から走り幅跳びを選びました」
2浪で筑波大学に進学
万全の対策をして臨んだ甲斐もり、2浪のすえ、寺田さんは筑波大学体育専門学群に合格しました。
医学部受験やアルバイト生活などを経験した2浪を終えて、無事大学に合格した寺田さん。浪人してよかったことを聞くと、「自分の意思で物事を選択できるようになった」、頑張れた理由を聞くと「時間の有限性を痛感した」との答えが返ってきました。
「自分のなりたいものや、やりたいことに対して向き合い、最大限工夫をすることを覚えた日々だったと思います。後悔しないように、終わりを意識したからこそ頑張れたのだと思いますね。フリーターをしたことで、お金を稼ぐことが大変だとわかり、お金の価値を学べたこともよかったです」
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