調剤のポイント付与が一転禁止に ドラッグストア各社の次の手
別の方策探る動きも
ドラッグ各社にとって調剤事業の魅力は大きい。値引き競争が激化する中、利益率の高い調剤事業の成否が業績拡大のカギを握るほか、優秀な薬剤師を確保するうえでも重要なアピールポイントとなる。こうした中、ポイント制度導入は調剤利用者を増やすうえでの武器になってきていたが、業界ではすでに「次の一手を考えているのでは」(調剤チェーン関係者)との声も聞こえる。現に、介護施設からの調剤一括請負など、別の方策で顧客獲得を探る企業も出てきている。
一方、これまでポイント付与の恩恵をあまり受けていなかった調剤各社は今回の決定を前向きに受け止めている。
そもそも国際会計基準が導入されると、ポイントは現状の引当金から値引き処理に変わる。健康保険法では調剤の値引きは禁止されているため、ポイント付与はできなくなる可能性があり、各社は次を見据える必要がある。ポイント競争が一段落しても、調剤チェーンやドラッグ各社による処方箋争奪戦は一段と激化しそうだ。
(長瀧菜摘 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2012年1月21日号)
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