日本のゆるい職場で専門性獲得できる人の生き方 「石の上にも3年」戦略はもはや通用しない?
小さく、始める:スモールステップ
第一には、キャリアを変えるような大きな経験の前段階として、スモールステップの頻度を上げていきます。それはたとえば、「やりたいことをみんなに話してみる」「初対面の人とも積極的に会う」「友達に誘われたイベント等に行く」「LINEやメッセンジャーなどで目的に合わせたグループをつくる」などの本当に小さな行動です。
いま所属している会社や組織の制度や取り組みを調べることで、「今の環境だからこそできる、今の環境だからこそハードルが下がっているアクション」を考えることが重要です。
自分にとってのホームとアウェイを明確に
同時多発的につくる:キャリア・キャンペーン
人は通常、たくさんの役割を同時に果たしています。例えば、本業の仕事で果たしている役割と、副業のそれでは全く異なるでしょうし、地域コミュニティではまた別、家庭ではさらに別の顔を持っている、という状況にあるはずです。
本業の会社、副業先、地域コミュニティ、趣味のグループ、家庭……と、このように「同じライフキャリア上にあって“大事にしているもの”が異なる1つひとつの時空間」のことを、「キャリア・キャンペーン」と呼びたいと思います。持続可能なキャリアをつくるためには、キャンペーンごとに方針を持つことが重要になります。
その方針は、基本的には以下のように分類できます。
・Voice戦略(よりよい環境にするために、リスクをとって声をあげる)
・デクレッシェンド戦略(あまり得られるものがないために、徐々にコミットを減らす)
・選択的撤退(あまり得られるものがない環境なので、リスクをとってでもコミットを減らす)
これをキャンペーンごとに実行していくと、自身にとってのホームとアウェイのフィールドが明確になります。ホームで努力の獲得量が不足しているなと思ったのであれば、アウェイでの獲得量を増やすのも有効な近道です。
本業の職場の中で別のキャンペーンを開始してもよいかもしれません(職場にある何かのコミュニティに所属する、新しい業務を希望してみる、社内副業をする、などなど)。キャンペーンを増やすことで、1万時間の獲得を早める=「近道」を見つけることにつながります。
意味づける:センシング
ライフキャリアにおいて、過去に経験したことは変えられませんが、その意味は変えられます。「過去の経験が今の自分から見てどんな意味を持つのか」は将来に向かってどんどん変えることができるものだからです。
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