ユニチカ"最後のリストラ"売り上げの45%を整理 "引き金"は生き残りを託す分野での失敗だった

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(編集部撮影)

かつて東洋紡績、鐘紡とともに「三大紡績」と並び称された名門、ユニチカが”最後のリストラ”に踏み切る。

11月28日、第三者割当増資で官民ファンド「地域経済活性化支援機構」の傘下に入り、衣料繊維、不織布、産業繊維(中空糸を除く)の3事業から撤退することを表明した。3事業の売り上げは約530億円。実に、全売り上げの45%を整理することになる。

衣料繊維は135年の歴史を持つユニチカの祖業である。一般メディアがこぞって伝えたのは、繊維産業の一翼として日本経済の初期の高度成長を支え、ユニチカのバレー部が1964年の東京オリンピックで「東洋の魔女」を輩出したこと。遠い栄光にのみ照明が当たるところに、ユニチカの現在の苦境がある。

インドネシアの失敗

今回、同社の背中を押したのは、繊維事業の赤字ではない。ユニチカが今後、生き残りを託す分野での「失敗」だった。

現在、ユニチカの主力事業は繊維(構成比23%)ではなく、包装フィルムを中心とする高分子事業(同47%)だ。とりわけ、食品包装用のナイロンフィルムでは国内首位、世界トップ級のシェアを握っている。2018年、ユニチカは60億円を投じ、インドネシア子会社の生産能力を1万6500トンから2万6500トンに大幅に拡張することを決定。中国の同業者の増設計画をにらみながら、東南アジアの成長を期待しての決断だった。

しかし、2つの誤算に見舞われた。1つはコロナで竣工が遅れたこと。さらに、2022年夏に増産設備が稼働すると、高関税と対米関係の悪化でアメリカ市場から締め出された中国製フィルムが雪崩を打って東南アジアに押し寄せた。泥沼の乱売戦となり、2024年度上期、稼働間もないインドネシア子会社は、増設設備も含め106億円の減損処理を余儀なくされたのである。

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