韓国戒厳令・証券市場で外国人投資家が投げ売り 今後も外資による韓国株売却が続く可能性も
KOSPI市場で外国人の売り注文が多かったのがサムスン電子で、748億ウォン(約74億円)が売却された。新韓持株(653億ウォン、約65億円)、ハナ金融持株(479億ウォン、約47億円)、KB金融(471億ウォン、約47億円)と、これまで企業価値を向上させる政策で値上がり期待が高まっていた金融銘柄も多く売られた。
安定した取引だったとの評価も
一方で、外国人が投げ売りしたにもかかわらず、株価はおおむね安定した取引だったという見方も出ている。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が戒厳令を宣布したものの、国会が憲法の規定に従って解除要求案を通過させたためだ。
結局、尹大統領は宣布から6時間ほどで戒厳令を解除したが、これが早期の事態収拾と考えられた。金融当局も市場安定メッセージを出して迅速に対応したからだ。
韓国の金融委員会は、いわゆる「トランプショック」が発生したときにも行わなかった証券市場安定ファンドの投入を検討しているとされている。トランプショックとは、2024年11月のアメリカ大統領選挙でトランプ前大統領が勝利して以降、株式市場が続落し、為替でもウォン安が進んだことを指す。
金融委員会の金炳煥(キム・ビョンファン)委員長は12月4日に金融状況点検会議を開き、「株式市場は10兆ウォン規模の証券市場安定ファンドなど市場安定措置がいつでもすぐに稼働できるように準備し、債券市場・資金市場は合計40兆ウォン(約4兆円)規模の債券市場安定ファンドと社債・企業債券(CP)買取プログラムを最大限実施して安定を図る」と述べた。
韓国の中央銀行・韓国銀行の金融通貨委員会も同日の会議を開き、短期的な市場の流動性を拡大させることを決定した。