鳥貴族とやきとり大吉、一緒になる事の「影響」 大阪の個人店→40年で600店舗を超える鳥貴族
鳥貴族については、647店舗中245店舗がTCC(カムレードチェーン)と呼ばれる独自の加盟店システムをとっている。元社員等限られたオーナーによるFC形式での展開で、外部からの募集はしていない。
ブランドの魅力を残しつつ、協業でよりプラスの効果を
また、すでに変化が表れており、注目したいのがマーケティングやメニュー開発の部分だ。
鳥貴族では2021年にマーケティング部門を立ち上げ、メニュー開発やプロモーションを行ってきた。確かに、今回久しぶりに訪ねると、以前の鳥貴族との違いを感じた。なんとなく、目新しさを感じたのだ。実際、期間限定メニューの頻度も以前の3カ月ごとから、2カ月ごとにアップしている。アプリ連携など販促も刷新した。
大きく変わってきたのが大吉だ。大吉と言えば赤い看板に極太の文字がおなじみだが、このところ、木目と白を基調とした新しい大吉が生まれているのだ。大きな窓から店内が見えるため、入りやすい。メニューも女性やファミリー層を意識し、変更を加えた。
この新しい大吉を「白大吉」とし、従来の店舗を「赤大吉」と呼ぶようになった。
さらに、赤い大吉のコンセプトはそのまま、ロゴや店舗デザインを刷新し、入りやすさをアピールした「新しい赤大吉」も出店されてきている。
これらブランドコンセプトや店舗デザイン、メニューなどのリニューアルは、2027年の創業50周年を見据えたプロジェクトの一環。なので、グループ傘下に入ったことと直接の関係はない。
しかし、ダイキチシステムには従来マーケティング部門がなかったため、グループに加わってからは鳥貴族のマーケティング部門と連携しているそうだ。メニュー開発などで両者が相互に影響しあったり、あるいは商品が似てくるということも考えられるかもしれない。
まずは日本において、鳥貴族、やきとり大吉、それぞれが魅力あるブランドとして成長していく必要がある。鳥貴族は大規模なチェーンであることから、ビジネスライクな印象を持っていたが、前述の通りもとは大倉氏が1店舗から立ち上げたチェーン。そのDNAは、創業以来継ぎ足しされたタレ、丁寧に継承されてきた串打ちの技術に息づいている。
またやきとり大吉も同様に、創業以来継ぎ足しされたタレと串打ちはもちろん、店主が客を見ながら、微妙に調整する焼き加減が同チェーンならではの魅力だ。
引き継いできたブランドの魅力を残しつつ、協業でよりプラスの効果を発揮していけるか。大倉氏の世界戦略の成功はそこにかかっている。
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