中国メーカー初、「欧州の乗用車工場」が生産開始 奇瑞汽車がスペインの新興メーカーと合弁で

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合弁会社はS700に続いて、同じくエブロ・ブランドのSUV「S800」の生産をまもなく開始する。両車種はどちらもエンジン車とPHV (プラグインハイブリッド車)の2つのバージョンをそろえている。

スペインの合弁工場は2024年からCKD方式の現地生産に移行する(写真は工場を部分保有するスペイン企業、QEVテクノロジーズのウェブサイトより)

現地生産の初期段階では、中国の奇瑞汽車の工場で両車種を半完成品まで組み立て、バルセロナ工場で最終仕上げを行う。2025年からは、すべての部品を中国から輸出してスペインで組み立てるCKD(コンプリートノックダウン)方式に移行する予定だ。

EV生産は2025年に延期

バルセロナ工場では、エブロだけでなく奇瑞汽車の海外市場専用ブランド「Omoda」および「Jaecoo」のクルマも生産することになっている。だが現地メディアの報道によれば、奇瑞汽車は2024年10~12月期に計画していたOmodaブランドのEVの生産開始を2025年に延期した。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

この計画変更は、欧州委員会(訳注:欧州連合[EU]の政策執行機関)が中国製EVに対する追加関税の適用を決定し、10月30日から実施に踏み切ったことが影響した可能性がある。中国政府は追加関税の代替案について欧州委員会との協議を続けているが、まだ合意に至っていない。

ドイツメディアの報道によれば、欧州議会国際貿易委員会の委員長を務めるベルント・ランゲ氏は11月22日、「EUと中国は合意に近づいており、中国メーカーは最低価格の順守を約束することでEVをヨーロッパに輸出できる」と発言した。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は11月24日

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