BYDなど中国勢が東南アジアなど世界市場で攻勢 日本の自動車メーカーは厳しい時代を迎えている
以下の図は、中国における各自動車メーカーの市場シェアの増減を示す。地場のメーカーや米テスラが伸びる反面、日本勢や独フォルクスワーゲンは苦戦。
販売台数で世界首位のトヨタは、ピックアップなど一部のセグメントではまだ地盤を保っているものの、効率性と信頼性で消費者の支持を集めてきた日系自動車メーカーにとっては憂慮すべき状況となっている。
中国の自動車メーカーは制裁的関税のために欧州や米国ではほとんど乗用車を販売していないとはいえ、日系メーカーのアジアでの市場シェア低下は欧米でのさらなる落ち込みの可能性も予感させる。日本の自動車メーカーは電気自動車(EV)への転換が遅れている。最先端の電池技術とソフトウエアが勝負の鍵を握るようになっている業界で、さらに遅れを取ることになれば、大きな犠牲を払うことになりかねない。
以下の図は、東南アジア各国での各メーカーの市場シェア増減状況を示す。日本勢では現地で大きな生産能力を持つトヨタが比較的健闘している。
インドネシアではトヨタがトップシェアを維持しているものの、日産自動車の車は今や絶滅危惧種に近い。その一方で今年7月に進出したばかりの中国の比亜迪(BYD)が急激に販売を伸ばし、10月には販売台数で同国6位となった。ジャカルタにあるBYDの旗艦ショールームのスタッフによると、4万ドル(約610万円)から買える中型のEVセダン「シール」が最も人気があるという。